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【ネタバレ有】漫画「聲の形」の印象的なシーンやセリフの感想をつらつらと書きます

「週刊少年マガジン」で2013年から2014年にかけて連載されていた「聲の形」(こえのかたち)のアニメ映画が、遂に本日9/17に公開開始です。製作は京都アニメーション。


映画『聲の形』 本予告

 

見に行きたいところですが、なかなか時間が取れなくて当分無理そう・・・せめて原作漫画で印象的だったシーンやセリフを改めて書いてみようと思います。

ネタバレしてますので、未読の方はご注意ください。

あらすじ

人気作品なので内容を知っている人も多いと思いますが、一応あらすじを書いておきます。

  • 主人公・石田将也は小学6年生の頃、友人達と行っていた「度胸試し」なる悪ふざけができなくなり、暇を持て余していた。
  • そんな折、先天性の聴覚障害をもつ少女・西宮硝子が同じクラスに転校してくる。
  • 西宮硝子に興味を持った石田将也は彼女の障害をネタにイタズラをするようになり、だんだんそれがエスカレートしてイジメへと発展していく。
  • イジメ内容が一線を越えてしまい、学級裁判にて石田将也は断罪される。
  • 石田将也と一緒に西宮硝子を苛めていた友人達は手のひらを返し、全責任を石田将也をなすりつけ、今度は石田将也をターゲットにして執拗なイジメを開始する。
  • イジメられている自分に何故か優しくしてくる西宮硝子に激昂した石田将也は取っ組み合いの喧嘩をし、それが一因となって西宮硝子は転校してしまう。
  • 西宮硝子転校後、石田将也の机にクラスメイトから落書きを書かれるようになる。実はいままでも書かれていたのだが、西宮硝子が朝早く登校して机を拭いてくれていたことに石田将也は気づく。
  • 高校生になった石田将也は西宮硝子に謝罪と罪滅ぼしをするため、独学で手話をマスターしながら彼女を探し続け、ついにとある手話サークルで彼女と再会する。
  • 西宮硝子に謝罪後は自殺を考えていた石田将也だが、西宮硝子の優しさに触れたことで自殺を思いとどまり、西宮硝子の幸せな時間を取り戻すために生き続ける決意をする。

 

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最初は主人公にまったく感情移入できなかった

第2話「仕方の無いこと」より

将也「これが正しい西宮の使い方だ!!」

 

僕は基本的に漫画の登場人物に感情移入して読むほうなんですが、この漫画は最初全然主人公に感情移入できませんでした。というのも、あまりにもクソガキに見えたから。実際主人公の石田将也はとんでもないことをいろいろやらかします。

上のセリフは、日々の退屈を持て余していた将也が西宮にイタズラ、嫌がらせ、イジメの数々を繰り返していたときの心の声。なんという言い草か。読んでて実に胸糞悪かったですが、この時期の行いは後の将也自身を非常に苦しめることになります。

 

 

友達には確たる定義がないからこそ難しい

高校生になった将也は手話サークルで西宮と再会。過去の件を謝罪して友達になろうとするが、まだまだ西宮とはぎこちない仲。高校で友達になった永束に対し、将也は「友達の定義って何だろう?」と問いかけます。

第8話「友達って」より
将也「永束くんは”友達の定義”って何かわかる?」
永束「それは定義づけ無いといけないものかい?」

 

友達には確たる定義と言うものはない、だからこそ作るのも維持するのも難しいのかもしれない。小学校時代仲の良かった島田と広瀬に手酷く裏切られたように、関係が壊れるのも一瞬です。

 

 

嫌いになる理由

第20話「理由」より
植野「人を好きになるときに理由は必要ないと思うけどさ、嫌いになるときは理由があるから嫌いになると思うんだよね」

小学校のときから将也に好意を寄せていた植野直花。再会した将也にラブレターを渡そうとするも、間違って永束に渡してしまう。舞い上がって告白してくる永束に植野が言ったセリフ。このセリフに前後して植野は永束に辛らつな罵声を浴びせかけます。

最初読んだときは何てことの無いセリフだと思ってたんですが、後々植野が西宮を嫌っている理由(植野も小学校時代の西宮イジメに加担しています)が彼女の口や回想シーンから語られたときに、このセリフを思い出しました。伏線というには大げさかもしれませんが、本作にはこういう仕掛けがたくさん散りばめてあります。

 

余談ですが、永束が全力で罵られているときに物陰からカメラ撮影していた西宮妹(永束から「良い絵を撮らせてやるから、ついてこい!」と言われてついていった)が、カメラ構えたまま笑いこらえている姿がなんともシュールw 本作はテーマがテーマだけに重い雰囲気になりがちなんですが、コメディリリーフの永束に要所要所で救われた気がします。

 

 

無関心よりも嫌われていたほうがいい?

第21話「友達ごっこ」より
植野「石田さ、私のこと嫌い?」

上のセリフはほぼ同じ内容で植野から将也に2回使われます。
1回目の問いに対し、将也は曖昧に答えますが、その後植野が西宮に酷い態度をとったためか、2回目の問いに対して将也ははっきりと「嫌い」と答えます。

 

将也に好意を持っている植野にとってはつらい返答だとは思うのですが、曖昧に濁された1回目よりもはっきり嫌いと言われた2回目のほうが、心なしか植野は嬉しそう。自分に対して関心を持たれないよりも、負の感情であっても関心を持って欲しい、ということでしょうか。

 

 

あえて声に出して伝えたいこと

第23話「月」より
西宮「うきぃ!」

全国推定1000万人の西宮ファンを萌え死にさせたであろうセリフがこれ。植野との一件もあってか、将也への好意を自覚した西宮。将也に対して大声で告白します。聴覚障害者の方の特徴として発語が不完全になりがちのようで、西宮は「好き」と伝えたいものの、将也には「月?」と誤解されてしまいます。

西宮も将也も手話が使えるのだから、手話で伝えれば良さそうなものですが・・・やはりこういうことは「声」に出して伝えたかったのでしょうね。西宮の想いの強さが感じ取れます。

 

母は強し

第32話「ガムシロ」より
西宮いと「私は逃げないよ 娘からも 孫からも」

硝子に聴覚障害があるとわかったとき、硝子の父親と父方の祖父母は障碍者への偏見をあらわにし、硝子母に離婚をつきつけます。失意の底にある硝子母に対し、硝子母の親(硝子からみると母方の祖母)である西宮いとが言ったセリフ。

障害をもった娘を強い子に育てるため、硝子母は自分自身も強くあるために涙を見せずに生きていくことを決意します。そんな娘の背中を優しく押す母。娘の離婚に際して力になることが出来ず、西宮いと自身も無力感に苛まれてきっと泣きたい心境だったと思うんです。それでも娘の前では笑顔を作り、暖かく見守ります。

「聲の形」に登場する母親・・・将也母、硝子母、そして祖母の西宮いと。タイプは違えど、強い女性ばかりです。

 

 

竹内先生がよくわからん

第35話「立派な」より
竹内「さすがお前の友達だな、どうしようもない愚か者だ」

将也たちの小学校時代の担任・竹内。この人がよくわからないんですよね、僕の中で・・・
小学校時代西宮や将也がイジメていることを知ってても(しかもこの2人が苛められる原因の一部は竹内の言動や放任主義)、半ば黙認、自己保身のみを考える、というわかりやすい「悪い大人」。その性格は数年経っても変わっていないようで、将也の友人・真柴を愚か者呼ばわり。なんかもう教師と言うより人間としてどうなのかと。

そうかと思えば、その直後、竹内が手話をマスターしているらしき描写も出てくるのがわからない。小学校時代は習得していなかったはず。西宮へのイジメを止められなかったのを竹内なりに責任を感じているとか・・・?そんな感じもしないけどなぁ。この人は最後までよくわからなかった。

【追記】
竹内先生が手話を覚えた理由について、ファンブックに明記してありました。

www.ishikihikui-kei.com

P168
手話を覚えたきっかけは、硝子のためでも、彼の中で何か革命のようなことが起きたわけでもなく、新たな外国語を覚えるのと同じように、自分のスキルを高めるのが目的でした。

 

 

影のヒロイン

将也と西宮は考えや想いを心の内に溜め込むという意味で似たもの同士ですが、「聲の形」影のヒロイン・植野はその点は真逆のタイプと言えるかもしれません。考えるよりもまず行動!それが結果的にトラブルや問題に繋がることも多いですが、将也と西宮に大きな影響を与えていることは間違いありません。

そんな植野のらしさ全開とも言えるセリフがこちら。過去のことでウジウジ悩んでいる将也を一喝する力強い言葉です。

第38話「疑心暗鬼」より
植野「インガオーホーなんてクソくらえ!」

 

 

腹黒と思っていたら天然だった

第48話「川井みき」より
川井「言われのない罪をなすりつけられそうになったこともあったし・・・あのときは気づかなかったけど、あれはイジメだった。」

5巻のラストで将也が昏睡状態に陥り、6巻は主要人物による群像劇。普段は将也の一人称でしか語られることが無いため、他の登場人物の心の内はなかなかわかりませんでしたが、この巻で明らかになります。

中でも驚きだったのが、優等生の川井みき。小学校時代イジメを黙認(というより、面白そうに煽っていたようにも映る)していたのに、将也が吊るし上げられる場面では即座に悲劇のヒロインを演じて全責任を将也に押しつける。計算高い腹黒女だと思ってたんですが、なんとこのキャラは本心から「私は悪くない!」と思っていたようで・・・勘違いしたまま過ごせるなら、それはそれで幸せだなと思ったり。

 

 

一途とヤンデレは紙一重

第50話「植野直花」より
植野「目が覚めたら石田は・・・私を選んでくれるだろうか?きっと選ばない。選ばれないのだったら目覚めないほうがずっといい」

昏睡状態の将也を看病しながら上野が発した言葉。将也の心が自分には向いていないことを自覚し、自暴自棄で倒錯気味にも映りますが、植野の将也に対する想いはこれほどまでに強かったのかと衝撃を受けました。

「聲の形」のテーマの一つとして、「人と人とが分かり合うためのコミュニケーション」というものが挙げられると思いますが、植野のこの発言はそのテーマの真逆を行っているところも興味深いです。

 

 

植野の恋の終わり

第61話「卒業」より
植野「そんなにあの子のことが好きなら一緒に・・・来ればいいじゃん東京」
将也「うん」

クライマックス付近の将也と植野の会話。高校を卒業したら東京へ行く西宮を心配している将也。植野はそれとなく「西宮のこと好きなんでしょ?」という意味を含めた問いかけをしますが、将也はあっさりと「うん」と答えています。植野の後姿がなんとも物悲しい・・・ 

 

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まとめ

本作のメインヒロイン・西宮も充分魅力的なんですが、人間くさい性格を存分に発揮してくれる植野が僕はお気に入りです。そのせいか、抜粋した場面が植野方面にちょっと偏りすぎた感はありますw

 

久しぶりに読みましたが、やはり「聲の形」は面白いですね。登場人物のほとんどが何かしら問題を抱えたヤツばかりですが、それが妙にリアリティを感じると言うか。大今良時先生の力量には感服するばかりです。

 

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