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私の戦闘力は53万マイクロです

農夫のおっちゃんの10分の1程度の戦闘力で適当に生きる、意識低い系サラリーマンのブログ

「聲の形 公式ファンブック」はまさにファン必読の濃厚な謎解き本だった!

書籍レビュー・紹介 アニメ

アニメ映画公開前日に発売された「聲の形 公式ファンブック」 。

買おうかどうか少し悩んでいましたが、近所の本屋で目立つところに平積みされてるのを見て勢いで買ってしまいました。

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結論から言うと、買って大正解でした。いろいろモヤモヤしてた部分が作者自身によって語られていて、スッキリです。 

カラーイラストギャラリー

最初の章は「イラストギャラリー」。細部まで練りこまれた綿密なストーリー展開もさることながら、絵柄の美麗さにも定評のある「聲の形」。連載時の表紙やトビラに使われていた絵がフルカラーで載っています。

特に大垣市フリーペーパー「水都旅」の表紙に使われていたという、西宮姉妹が桜を見ながら川下りをしている見開きページは一見の価値アリ!です。

 

「聲の形」入賞作品&読み切り作品

「聲の形」は連載作品以外に、最初に新人漫画賞に入賞した作品、読み切り作品の3種類が存在します。このファンブックに入賞版と読み切り版が収録されています。

入賞版は主要キャラやコンセプトは連載版と同じですが、設定や展開に結構差異があります。読み切り版のほうは、連載版にかなり近く、連載版のコミックス1巻の内容を凝縮したような感じ。

どちらの作品も、「人と人とのわかりあうためのコミュニケーション」という作者が「聲の形」で最も伝えたかったテーマが、連載版とは少し異なる角度から描かれています。

 

「聲の形」一問一答

読者が疑問に思っているであろう謎に、作者が1つずつ答えているコーナー。 どちらかといえば豆知識的な細かい質問が多いですが、ストーリーの確信に触れるような問いも。

僕はこの回答が意外でした。てっきり西宮は小学校時代から将也のこと好きだと思っていたので・・・

P147
(前略)
小学校時代の硝子にとって、将也は好きな人でもなんでもありません。

 

主要キャラクター解説

キャラクターの人物像や裏設定を解説しつつ、未来の姿についても軽く触れられています。一番意表を衝かれたのが、竹内先生が手話を覚えた理由。

P168
手話を覚えたきっかけは、硝子のためでも、彼の中で何か革命のようなことが起きたわけでもなく、新たな外国語を覚えるのと同じように、自分のスキルを高めるのが目的でした。

 

どうやら、ただの意識の高い先生だったようですw
僕の予想というか想像は完全に的外れでした。

【ネタバレ有】漫画「聲の形」の印象的なシーンやセリフの感想をつらつらと書きます

竹内が手話をマスターしているらしき描写も出てくるのがわからない。小学校時代は習得していなかったはず。西宮へのイジメを止められなかったのを竹内なりに責任を感じているとか・・・?

 

本編では島田や広瀬の内情についてはあまり多く語られませんでしたので、このコーナーでフォローがあるのかなと思いましたが、あくまでさらっと解説されていました。ちょっと残念。

 

作者ロングインタビュー

最後は22ページに渡って大今 良時先生のインタビューが掲載されています。

「聲の形」は「聴覚障害者」「いじめ」という非常にインパクトが強い要素が含まれていますので、どうしてもそこに目がいきがちです。作者としては、この話をシンプルに「障害」「いじめ」がテーマの話とは受け取って欲しくない、というメッセージを残しています。

P170
「いじめがテーマ」とシンプルに語られることに、少し違和感を抱いているところはあります。自分としては、「いじめ」や「聴覚障害」を主題にしたつもりはなくて、「人と人とが互いに気持ちを伝えることの難しさ」を描こうとした作品です。だから『聲の形』というタイトルにしても、「コミュニケーションそのものを描いた話」なんだよ、という想いを込めています。硝子の耳が聞こえないのは、あくまで彼女を構成するもののひとつでしかないですし、この作品でのいじめはコミュニケーションが引き起こした結果のひとつなんです。

 

僕はまだ映画を観にいってないのでわかりませんが、単行本7巻分の内容を2時間に詰め込んだ映画ではそのあたりのテーマはちゃんと語られているのか、気になります。

 

huurai0.hatenablog.com

上の記事の人は、原作未読で映画を観られたようですが、本作のテーマについてこう感じたそうです。

お話しとしては、結局のところラブストーリーに落ち着くのかなと思いきや、贖罪の話。罪を犯せばその報いを受けることになる。許されるにはその罪を贖う必要がある。これが本作のメインテーマ。

うーん、「贖罪」がテーマかぁ・・・そういう部分もあるかもしれませんが、あまりそこには焦点当たってない気がします。植野であれば「ショクザイなんてクソ食らえ!」とでも言うかもしれませんw

 

一方、原作を読んだ事があり、かつ作者インタビューを知っている人は、映画を観てこう感じたようです。

blog.imalive7799.com

これも、公式ファンブックやインタビューにて原作者が語っていることですが、「いじめ」や「聴覚障害」はあくまで設定であり、主題を強調するためのモチーフに過ぎないのです。実際、見終わって「やっぱりいじめはいけないな」「聴覚障害って大変なんだな」という感想にはならなかったのではないでしょうか?

それよりも、自分の犯した(と思っている)罪や罪悪感、伝えられなかった気持ち、コミュニケーションの難しさや、それらと傷つきながらも必死で対峙する主人公たちの心の動きに感動させられるはずです。

 

「贖罪」という側面もあるのでしょうが、それはあくまで本作を構成する一要素。それは「いじめ」や「聴覚障害」と同じでしょうね。人と人とはどうわかりあえばいいのか、わかりあうことができるのか?というメインテーマを伝えるための。

 

ただこれも、作者の意図や狙いを必ずしも読者や視聴者が正確に受け取るとは限らない、という意味で捉えれば、「人と人とがわかりあうのは難しい」という作者の伝えたかったテーマに帰結しているとも言えますね。

 

 

映画をまだ観ていないという方は、観にいく前に公式ファンブックで作者の意図を読み取ってから行くと、面白さが倍増するかもしれません。 


映画『聲の形』 ロングPV