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【ネタバレ注意】小説「ビブリア古書堂の事件手帖」最終巻の感想

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2011年から6年間に渡って続いた「ビブリア古書堂の事件手帖」が先日発売された7巻でついに完結しました。

 

 

ネタバレ交えつつ感想を書きます。

 

ビブリア古書堂の事件手帖とは

一応説明しますと、ビブリア古書堂の事件手帖は最近流行りの(?)、人が死なない系ミステリーです。

幼少期のちょっとしたトラウマが原因で本を長い間読んでいると体調が悪くなる主人公の五浦大輔。普段は人見知りで話も得意ではないけど、いざ本の話になると膨大な知識と明晰な頭脳を発揮する古書店店主の篠川栞子(探偵役)。そんな凸凹な2人が古書にまつわる様々な謎を解いていくミステリーです。

 

本シリーズ通して、初めて謎解きに成功

僕はミステリーを読むのは好きですが、トリックだの動機だのの謎解きはほとんど当たったためしがありません。たいてい外れます。謎解きシーンになったときに「なるほど、こういうことだったのか!」と納得させられるのが好きです。

そんな僕ですが、ビブリアの最終巻では珍しく大筋の謎や先の展開に見当がついていました。複製本が実はただの函で中をくり抜いて本物が納められていることとか、大輔くんが実はこっそり資金を用意していることとか・・・

特に、大輔くんが資金を用意している下りは、事前にわかりやすい伏線(大輔くんと大輔母とで自宅を将来的に売り払ってお金を分け合う話)があったため、いざ大輔君が小切手を持ち出しても「ああ、やっぱりね。」という感じの感想でした。

もちろん、謎や展開がある程度先にわかっていたからといって本作の面白さが欠けたわけではなく、クライマックスのオークションにおける手に汗握る駆け引きや、栞子さんと大輔くんのラブロマンスなど、大いに楽しむことが出来ました。

 

吉原さんは最後が残念だった・・・

最終巻の敵役(?)とも言うべき、老獪な道化・吉原さん。その人を食ったような飄々とした性格は、栞子母から「道化役を演じている」「能力が高い」と評されるだけの堂々とした悪役振りでした。もちろん単純な悪役ではなく、彼には彼のストーリーがあったわけですけど。

ただ・・・どうにも最後がいただけない。篠原母娘にニセモノをつかませることができたと確信したときの大笑い(オークションの途中から笑いを堪えていた)にしても、篠原母娘にまんまと敗れて、シェークスピアのファーストフォリオ(本物)を手放さざるを得なくなったときの醜態にしても。

中盤までの掴みどころのない飄々としたキャラはどこへやら、これではただのチンケな悪党です。あるいは、それも含めての「道化役」として自分の役を演じきった、ということでしょうか・・・

 

栞子母は最後まで好きになれなかった

シリーズ通してのキーパーソンとして、要所要所で重要な役割を果たすことになる栞子母。結局最後まで敵なのか味方なのか曖昧な立ち位置のまま終わりましたが、このキャラはどうしても好きになれませんでした。

常に上から目線・・・しかも、誰か特定の相手に対する上から目線と言うより、物語り全体をメタな立場から俯瞰しているかのような、ある意味で悟りきった最強キャラ。このすべてを自分の手のひらで転がしていると自負してはばからない態度が個人的に癇に障ったというのもあります。

散々家族を含めた周囲を振り回すだけ振り回した栞子母が、結局ほとんど痛い目にあわなかったことも不満です。長年かけて探し回ったシェークスピアのファーストフォリオも、娘との対決に敗れたとはいえ相場よりは幾分安い値段で手に入れてますしね。

栞子母から「一緒に仕事をしないか?」と誘われた栞子さんと大輔くんがその話に乗ったかどうかまでは作中では語られませんでしたが、話を蹴ることを祈るばかりです。

 

 

 

アニメ&実写で映画化も企画されているようで、今から楽しみです。

『ビブリア古書堂の事件手帖』公式サイト | 実写&アニメでダブル映画化決定!

『ビブリア古書堂の事件手帖』が
実写&アニメでダブル映画化決定です!

 

 

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