に不倫された女性の生々しい感情を描いたコミックエッセイ「不倫サレ日記」を読みました。
不倫して無くてもこの夫はアウト
正直言ってこのエッセイを読んでいる間、夫に対するイライラが止まりませんでした。読了してしばらく経った今でもまだ思い出してイラっとします。
作者と夫との破局の直接的要因は夫の不倫ですが、不倫の事実がなかったとしてもこの夫はダメでしょう。
このエッセイは作者(妻)視点で書かれているため、もちろん偏っている部分はあるかもしれませんし、双方の言い分を聞かないと正確なジャッジはできないかもしれません。しかしそのあたり差し引いて考えても、やはりこの夫はヒドい。
いわゆるモラハラ夫というやつなのかもしれませんが、
- 共働きなのに家事を一切しない
- 「手伝って」というと逆ギレして説教かましてくる
- 作者の親が病気で大変なときでも「仕事をするって決めたのはお前だろ?俺は俺でがんばってる。お前はお前でがんばれ」と突き放す
作者と夫は恋人時代含めて17年の付き合いとのことですが、もちろん最初は優しく誠実な男性だったと思われます。17年の歳月はこうまで人を変えてしまうんでしょうか?
誠意の無い相手に誠意ある謝罪を求める虚しさ
ただでさえモラハラ気味の夫でしたが、不倫されたこともあって結局別れることになった作者夫妻。
こんな状況でもなお「再構築」を口にする作者に「え、なんで!?」と思わざるを得ませんでしたが(夫も「いや、俺たちもう無理だろ」と返してて、このときばかりは夫に共感しました)、人の心とは他人が理詰めで解釈できるような、そんな単純なものではないのかもしれません。
作者は最後の最後まで、夫と浮気相手の女性に「誠意ある謝罪」を求めていました。結局夫と浮気相手の女性はうわべの謝罪(作者視点)をするのみで、それもまた作者の心を傷つけることとなりました。
気持ちはわかるんですけどね、自分をこんな思いにさせた連中を反省させたい、謝らせたい、というのも。
そもそも、誠意ある謝罪は誠意ある人間にしかできないと思うんですよ。パートナーを裏切って不倫している時点で、そんな人間の誠意なんて信用できません。
人の心は移ろいやすいもの、というのもわかるので、他に好きな人ができるところまでは仕方ないのかもしれません。しかし、ちゃんとそのことをパートナーに話して正式に別れるという手順を踏むべきです。
この夫は不倫しておきながらそのことを隠したまま、作者の欠点をあげつらってなし崩しに離婚に持ち込もうとしてるんですよね。不倫がバレた後だと夫有責になって慰謝料発生してしまいますから。
こんな相手に「誠意ある謝罪」を求めるなんて、まさに「のれんに腕押し」。時間と精神を消耗するばかりで何も得るものはありません。
なんだか最後までモヤモヤし続けたエッセイでした。