ブログ界の人気者・かんどーさんが電子書籍「ひとりストリップ」を出されました。
かんどーさんの隠れファンである僕は、当然のごとく購入して読了しました。
本来であればレビュー記事を書きたいところですが、いかんせんこの本は「成人指定」。ちょっとブログに感想を書くのは憚られるな・・・と思っていたところ、でもそんなの関係ねぇ!とばかりにレビュー記事をアップした漢(おとこ)がいました。
stargazer-myoue.hatenablog.com
ああ、その前に、ブックマークコメントで「読みました!」と言っている人方が、なんでレビュー記事を上げないのかが分かりません。最近、思うのは世の中、口ばっかの奴ばかりだなぁということです。成人指定とか、グーグルが怖いとか、言い訳うぜぇなぁと思います。俺は互助会じゃないけど、仲間から助けを求められたり、応援すべきときは全力を出すよ?読んだよ!面白かったよ!アピールはうぜぇーな。証拠見せろや!オラ!っとちょっとイラっとしました。余談ですがね。
なんてこった・・・ロゴスエモの明恵さんが激おこぷんぷん丸ですよ。
別に明恵さんは僕個人に対して言っているわけではないでしょうが、僕もかんどーさんブログのブコメで「成人指定だからレビューしづらい」的なこと書いちゃってたんですよ・・・
敬愛する明恵さんに失望されるのは、この身を切られるよりも痛いこt・・・ごめんやっぱ身を切られるほうが痛いけども!ともかく、そこそこ痛い。
こうなっては書くしかあるまい。小学校時代の読書感想文を2~3行くらいしか書けなかった僕が「書評」とやらを。
前置きが長くなりましたが、本の内容について。
本書「ひとりストリップ」は、「さつき」という名の女性視点で書かれています。これはほぼほぼ、ニアイコールでかんどーさんのことなのですが、ご本人は「一部フィクション混じってます。どこまでフィクションでどこからノンフィクションかはご想像にお任せします」的なことが書かれていました。
とりあえず、あまり複雑なこと考えながら読むのは性に合わないので、「すべてノンフィクションである」という前提で僕は読み進めました。
最初のエピソードは、いまのご主人との馴れ初め話。「馴れ初め」という字面だけ読むとほのぼのした印象を受けますが、さにあらず。失礼ながら「よくこの流れで結婚まで行ったな・・・」と感じました。
正直なところを言うと、本書は前半は僕には若干退屈でした。かんどーさんテイストの文章は読みやすかったし内容も刺激的だったんですが、前半読んでいるときの僕はあくまで「観客」でした。
それがエピソード3の婚姻届ビリビリ破いた事件のあたりから、少しずつ劇中に引き込まれていきました。エピソード3のキーパーソン「瓶底メガネ」さんに多少感情移入してしまったことも原因かもしれません。
ブログ読んでても思いますが、かんどーさんの文章は読者を引き付ける力が非常に強い。読者を傍観者の立場に留めておいてくれないのです。
(余談ではありますが、かんどーさんの持ち味のひとつは「あけすけな性」。本書も狙ってやっているのかどうかはわかりませんが、後半にいけばいくほど性描写も過激になっていくため、それもまた後半につれて引き込まれていく要因とも言えます。)
「異世界」。そうとしか表現しようのない世界に僕は取り込まれてしまいました。
ひとたび、かんどーワールドの住人になってしまうと、「平凡」という漢字を具現化したような人生を歩んできた僕にはジェットコースターにでも乗っているかのような感覚になります。仕事遍歴、恋愛遍歴、ネットとの付き合い・・・全部が全部、共感どころか「どうしてそうなるんだ!?」と驚愕交じりのツッコミを入れたい衝動に駆られます。
おそらく同世代くらいだと思うのでこんな感覚もおかしいですが、もしも僕がかんどーさんの親だったら心配でたまらず実家から離さないかもしれません(もちろん、かんどーさんはそんなことお構いなく羽ばたいていくでしょうが)。
ようやくジェットコースターが終点についたと思ったとき、それは本書のあとがき部分でした。
僕は本書を読むまで、かんどーさんのことを「意識の高い人」だという認識がありました。かんどーさんのブログに綴られている仕事のお話はいつでも全力投球で、惰性で仕事をしている僕にはとても眩しく映るのです。それが「意識の高い」という認識につながっていました。
しかし、若干認識を改めました。かんどーさんは仕事に限らず、恋愛も友人関係もすべて「あるがまま、自分の望む方向を目指し」ているだけはのではないか、と。あるいはご本人に聞いたら「そんなことはない」と言われるかもしれませんが、それが僕が本書を読んで感じたことです。仕事だろうが恋愛だろうが、自分自身の本能の叫びに身をゆだね、全力を尽くす。
かんどーさんは「意識の高い人」ではなく、「意識の強い人」なのです。
日常をぼんやりと流されるままに生きている僕のような人が他にもいましたら、一度この「ひとりストリップ」という名のジェットコースターに乗ってみてはいかがでしょうか。