8:00
起床。
ジャムとバタ子はまだ寝てる。普通パン屋ってもっと朝早いもんじゃないのかな?まあ、おかげで僕もゆっくり出来るけど。
9:00
ようやくジャムとバタ子が起きてきた。なんか優雅に朝食を取り始めたけど、いつものことながら僕の分はない。なんでいつも僕だけ食事抜きなんだろ。
10:00
「じゃ、僕はパトロールに行ってきま~す。」
メンドイけどな。でもこれがないと僕の存在意義無くなっちゃうし、仕方がない。
12:00
「誰か困ってる人はいないかな~?」
まるで誰かに困ってて欲しいことを望んでいるかのようなこの発言、我ながらゲスいと思う。でも誰かに困っててもらわないと僕の存在意義(以下略)
なんか今日は比較的平和らしく、何も事件が起きていない。いったんパン工場に戻るか。疲れたしね。
13:00
「ただいま~、今日は誰も困っていませんでした・・・って、あれ?」
誰もいないじゃないか。どうしたんだろ。
・・・なんか奥の部屋からジャムの荒々しい息遣いとバタ子の苦しそうな声が聞こえてくる。人に肉体労働させておきながら、お前らは真昼間から何やってんだコラ。そんな暇あるなら、ピンチに備えて僕の新しい顔をいまのうちに焼いておいてよ・・・
ハチ合わせすると気まずいので、もう一度パトロールに行くことにする。
15:00
「誰か困っている人は・・・ん?この声は!?」
カバ夫の困っている声が聞こえる。野郎相手じゃテンション上がらないけど、一応行くか。
カバ夫「うわーん、僕のおやつ返してよー」
バイキンマン「はひふへほ~、おやつは全部オレ様のものだ!」
飽きもせずに毎度おなじみの光景が繰り広げられている。だいたいカバ夫もおやつ取られるのが嫌なら、これ見よがしに外で食べずに家で食べればいいのに。あいつはいつもお腹減った減った言っててウザいんだよね。心情的にはバイキンマンの味方したいわ~。
でも仕事なので、一応声をかける。
「やめるんだ、バイキンマン!」
いまの僕、輝いてる。
バイキンマン「出たなお邪魔虫!今日こそお前をやっつけてやる!」
あんだとコラ、いつも女の尻に敷かれてるくせに偉そうに。前言撤回、やっぱこんなヤツの味方はできん。僕の自慢のアンパンチでギッタギタのメッタメタにしてやるわ!
(中略)
「顔が濡れて力が出ないよ~・・・」
くっそ、なんで僕こんな軟弱なん?腹立つわ~・・・
カバ夫「うわー、アンパンマンが!大丈夫!?」
大丈夫なわけない、見りゃわかんでしょ?いつものことなんだから学習してよ。
「ジャムおじさんに知らせて~・・・」
口動かす暇があるなら体動かせよな。
~1時間経過~
バイキンマン「はひふへほ~、アンパンマン今日こそお前の最後だ!」
くっそ、バイキン野郎め、調子に乗りやがって。人をいたぶって楽しんでやがるわ。
新しい顔まだかよ・・・カバ夫どっかで寝てんのか?それともジャムたちが新しい顔焼くのに手間取ってんのか?だからキャッキャウフフしてる暇あったら顔焼いとけって言ってんだろうが。
バタ子「アンパンマン!新しい顔よ!!」
ようやく来た。なんかバタ子やけに顔がツヤツヤしてんな。
「元気百倍!アンパンマン!!」
どうでもいいけど、このセリフってちょっとダサイよね。
バイキンマン「勝負はこれからだ!」
「アーンパーンチ!!」
バイキンマン「バイバイキーン!」
ファ○キン、バイキン野郎!
18:00
バタ子「今日は大変だったわね、アンパンマン」
ジャムおじさん「でもおかげで街の平和は守られたよ。ありがとう、アンパンマン」
本当にそう思ってるなら、いまあなた達が食べてる飛騨牛のステーキ僕にも食べさせてくれませんかね・・・?また食事無しかよ。
21:00
ジャムとバタ子が寝た。あいつら寝すぎだろ、1日何時間寝てんだ。まあ、実は寝ないで別のコトやってるのかもしれんけど。
24:00
(某匿名掲示板にて)
カタカタカタ・・・
「アンパンマンって最高だよね!格好良いし強いし!私、アンパンマンと付き合いたい!」
名無し「本人乙」
なんでバレたんだ・・・
こうして今日も、代わり映えのない僕の1日は過ぎていく。