近年ブームになっている個人による不動産投資ですが、なかなか上手くいかない人が多いようです。
「4年前に親の遺産を3000万円ほど相続しました。するとどこから聞きつけたのか、銀行からは投資信託や保険商品を買わないか、不動産会社からはワンルームマンションを買わないかと、勧誘の電話がかかってくるようになった」
こう語るのは都内に住む石山晴幸さん(仮名、67歳)。とりあえず、退職金を預けている銀行に相談に行ったが、投資の経験も少ないし、よくわからない金融商品を買うつもりはなかった。そこで銀行に勧められたのが、不動産投資だった。
(中略)
「確かにスタートした時は、不動産屋も入居者を紹介してくれて、順調だったのですが、昨年になって近所に似たようなアパートが次々と建った。すると入居者のなかに新しいところに移りたいという人が出てきた。そこで交渉の結果、家賃を1万円下げることにしました。
そうこうするうちに、他の空き部屋も出てしまい、ローンの支払いをするのに、自分の年金やら貯金やらで埋め合わせるしかなくなった。ローンはまだ半分以上残っているのに、このまま支払い続けられるのか、不安で仕方がありません」
不動産投資は甘くない
「遊んでいる土地の活用」「相続税対策」・・・etc
銀行や不動産業者はあの手この手で個人マネーを不動産投資に向かわせようとしているようですが、不動産経営の素人が安易な気持ちで手を出しても、そうそう上手く行くものではないようです。
以前当ブログで紹介した普通の主婦が不動産投資に挑戦するコミックエッセイの著者も、苦労が耐えなかったご様子。
条件の良い物件はなかなか個人に回ってこない
そもそも、安定的に収益を出せる物件があるのならば、そんな話は個人投資家の耳に届く前に、資金力のある業者が自己運営することでしょう。
何故業者が言葉巧みに個人を不動産経営に勧誘するか?リスクを個人の大家に取ってもらいたいからです。銀行はローンによる利子収入、管理会社は管理手数料、不動産屋は仲介手数料などのリターンを、ほとんどリスク無く得ることができるのです。そりゃ一生懸命勧誘しますよね。
個人が不動産でまともに稼ごうと思ったら、少なくともこれら業者を出し抜くくらいのつもりで好条件の物件を自分の足で探すしかありません。しかし、本業を別に持っているであろう素人投資家が、海千山千の専門業者より先んじることができるでしょうか?容易なことではありません。
現代日本で不動産投資するのは難易度が高い
経済停滞&人口減少社会の日本においては、今後は不動産経営はますます厳しくなっていくことと思われます。新築アパートやマンションはポンポン建てられてますが、肝心の住人が減っているのです。供給だけ増えて需要は減っていく。日本国内で不動産経営するのがいかに厳しいか、自明の理です。
いっそ、行動力がある人は、経済も人口も上向きのベトナムやインドネシアなどの新興国で不動産投資をしたほうがワンチャンあると思われます。
ただ、こちらも言葉の壁や現地で信頼できる情報をいかに取得するか、などなど別の問題が出てくるので、簡単におすすめできるものではありません。
素人が不動産投資をしたい場合は、リート・インデックスが無難
それでもどうしても不動産を資産として持ちたい、ということであれば、リートに投資してはいかがでしょうか?
REIT(Real Estate Investment Trust、リート)または不動産投資信託は、公衆から調達した資金を不動産に投資する金融商品の一種。特に、日本の国内法に則った日本版REIT(J-REIT)のことを単にREITという場合がある。
リートとは不動産を金融商品化したもので、不動産に対して小口投資することが可能です。リートにも数多くの商品があり当たり外れあって選ぶのが大変ですから、リート全体に分散投資できるリート・インデックスがおすすめです。少額資金で世界中の不動産に投資することが可能です。
市場平均の指数に投資するインデックスタイプのリートであれば、特別な勉強や苦労なく、市場の平均的な果実を手にすることが出来ます。これこそが素人がプロの業者に対抗する唯一の方法ではないかと思います。
- 投資信託のモーニングスター|スナップショット[eMAXIS 国内リートインデックス]
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それでもどうしても実物不動産に投資したいという方は、充分検討されてから挑戦することをお勧めします。