出版不況と言われるようになって久しい昨今ですが、電子書籍だけはぐんぐん成長しているようです。
なぜ電子出版は軽視されるのか (1/4) - ITmedia ビジネスオンライン
インプレス総合研究所によると、2015年の電子出版市場は1826億円(前年比29%増)と大きく成長している。けん引しているのは8割以上を占める電子コミックだが、雑誌やビジネス書や小説などのコミック以外の書籍もプラス成長だ。16年は2280億円を予想している。
衰退気味とはいえ紙の書籍の市場は1兆円以上ありますから、それに比べれば急成長中とはいえ電子書籍はまだまだ小さな市場です。ただ、今後さらに成長して紙の書籍と市場規模逆転!なんてことも充分ありえそうな勢いですね。
電子書籍とWeb広告の相性の良さ
スマホでいろいろなサイトを見て回ってるときに目につく広告って、ソーシャルゲームか漫画で8割くらい占めてそうな気がします。何の根拠もない肌感覚で恐縮ですけど。
Web広告とソシャゲの相性の良さは論ずるまでもありませんが、漫画とも相性ばっちりだと思うんですよね。特に電子書籍版の。実際ネット巡回してて反射的に「なんだこの漫画?」と気になることは多いですし、電子書籍は「気になる漫画発見」→「購入」までのハードルが異様に低いのも強みです。
実際、Web広告がきっかけになってブレイクした漫画も多いそうです。
なぜ電子出版は軽視されるのか (3/4) - ITmedia ビジネスオンライン
例えば、「eヤングマガジン」(講談社/エブリスタ)連載の「生贄投票」(漫画:江戸川エドガワ/原案:葛西竜哉)。ストーリーは“いけにえ”に選ばれた者に社会的死――読者モデルの女子の性行為動画や、クラス委員長の男子の母親への執着がネット上に公開されてしまう――が与えられるという、やや露悪的なものだ。漫画のコマを使ったインパクトのあるWeb広告から人気に火が付き、多くの電子書籍ストアで売り上げランキング1位に。紙の単行本の売り上げにもつながり、2巻で累計60万部を突破するヒットになった。
女性向けでも同様のケースがある。「漫画家とヤクザ」(大誠社)は、電子専門雑誌「ラブコフレ」に連載していたティーンズラブ(女性向けのややアダルトな作品)作品。こちらもWeb広告から爆発的に購入者が増え、さまざまなストアで年間売上1位に輝いた。紙の書籍も発売され、10刷を突破した。小さな出版社でも、電子を活用すれば大きな利益を得られる好例だ。
「生贄投票」のほうは読んだことありませんが、「漫画家とヤクザ」は広告気になって思わずポチってしまいました。普通に生活してたら全く接点の無さそうな職業についてる人同士のちょっとオトナな恋愛模様が描かれる異色作です。
良くも悪くもインパクト大
漫画のWeb広告って思わずクリックしたくなるような気になるコマが使われてますよね。上手いやり方だとは思いますが、目の背けたくなるような露悪的な漫画の広告もちょいちょい出てくるのが個人的にちょっと苦手です。作品名は伏せますが、子どもを虐待していると思わしき漫画だったり、女性をモノのように扱っている漫画だったり・・・
なんでもかんでも規制すれば良いというものではないかもしれませんが、あからさまに不快感や嫌悪感をもよおす広告はちょっと考えてほしいなと思う今日この頃。まあ、その線引きが難しいのかもしれませんが。