天才発明家にして、恋愛奥手。そしてちょっと変態。そんな上野さんが部長を務める「科学部」での日常を描いた漫画「上野さんは不器用」を読みました。
上野さんは不器用
本作のヒロイン「上野さん」。この漫画はこの人がいないと始まらない。科学部部長の肩書きは伊達ではなく、毎回奇想天外かつ規格外な発明品をポンポンと生み出します。
例えばこれ。指定空間を不可視領域にすると言う反則的に凄まじい発明。
実験その2「クマワンダー2号」より
毎回発明の肝心な部分は「未知の物質」やら「謎の作用」やらで濁されているのはご愛嬌ですが、細かいことを気にしなければ相当ハイレベルな発明品。ドラえもんも真っ青になって逃げ出すレベル。
こんなすごい発明品を生み出せる上野さんですが、発明動機は実に不純。好きな男(後述する田中くん)の気を引きたいがため。上のエピソードでは、自分のスカートの中(注:ノーパン)を覗かせたいという野望のためだけにこんな超発明をしてしまったのです。
そう、上野さんは発明に関しては器用でも、恋愛に関しては超奥手なのです。奥手と言うか変態に近いかもしれません。
良く言えば健気、悪く言えば残念な娘さんです。
山下さんは優しい
そんな残念ヒロインである上野さんの恋を応援してくれる科学部の後輩女子・山下さん。この子がとにかく超優しい。
例えばこのシーン。
実験その1「ロッカくん」より
田中くんを落とす策略が上手く行かずに落ち込む上野さんを懸命にハゲます山下さん。ええ娘さんや・・・
惜しむらくは、上記シーンで上野さんが落ち込んでいる理由が「どんな汚水でも濾過する『ロッカくん』を使って自分のおしっこを田中に飲ませたい!」という策略が失敗したなどという残念極まりない理由でなければ、さらに名シーンになったことでしょう。
田中くんは鬼畜
科学部所属の田中くん。上野さんの想い人です。田中くんは一見優男風にみえますが、この人かなり鬼畜です。ナチュラルに人の一番突かれたくないポイントを突いていき、しかも相手が灰になるまで容赦しないタイプです。羊の皮を被ったハイエナといったところでしょうか。
ひとつ例を挙げます。
前述した、不可視領域発生器「クマワンダー」を使って自分のスカートの中を覗かせた上野さん。田中くんがなかなかエロい気持ちにならないので、なんとかしてその気にさせようとします。
対する田中くんは、朴念仁からの鬼畜コンボ。
実験その2「クマワンダー2号」より
わかっててわざとやってるのか、それともド天然か。おそらく後者だと思われますが、だとするとかなりの天然鬼畜。才能を感じます。
下ネタの完成度が高い
3人の掛け合いによるボケ・ツッコミがいちいち面白すぎます。下ネタ漫画は数あれど、露骨なシーンをほとんど描かずにセリフの軽妙さとコマ割りのテクだけでここまで魅せてくれる漫画はなかなか無いでしょう。ツボに嵌る人にとってはとことん嵌る漫画と言えます。