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コミックエッセイ「とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」を読みました

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気軽に読み始めたのですが、想像以上にコワイ話でした。 

漫画業界の実情

担当編集者を通じてしか出版社側に意見を言うことのできない作家。
「普通」「慣習」といった表現で強いられる無償労働。
単行本が出るまでは契約書は交わさないという「普通」
etc...

 

漫画業界の抱える闇を、新人漫画家の佐倉氏が暴露した形になるコミックエッセイ。

 

何が問題で何が問題でないか、漫画業界(あるいは出版業界)とはどんなところなのか・・・とても一言では語りつくせないので詳細は本書を読んでいただきたいです。

 

それでもあえて一言で感想を表すと「ひどい」。これ以上の言葉が出てこない自分の語彙の無さが恨めしい・・・

 

作者は担当編集者のことを「悪意は無さそう」と評していますが、どうにも僕にはこの編集者の「漫画家なんてどうせ変人なんだから、適当に煽てて利用しよう」という思惑が透けて見えてなりません。実際に会って人柄を知ったわけではなく、本書を読んで感じたイメージなので、断定はできませんが・・・

 

「好き」を食い物にされる世の中

 本書の作者も言及していますが、モノづくりを生業とする人(クリエイター、開発者など)の待遇はお世辞にも良いとは言えない世の中です。作者は「この国は~」という表現をされていますが、僕は外国のモノづくりの実情に詳しいわけではないので、あえて「世の中」と表現します。

 

クリエイターの世界とは多少異なるところもありますが、僕の所属する業界であるシステム開発の世界も現場で実際に開発する人間(SE、プログラマ)の待遇は決して良くありません。というか、仕事のできる人間は早々にマネージャ職になってしまい、「モノづくりの人間のまま待遇が上がる」というロールモデルに乏しいのです。

そのあたりのことは、以前「マネたま」様に寄稿した記事でも書きました。

www.manetama.jp

 

現場で活躍し続けるベテランSE、プログラマの中には、超人的なスキルを持った人がちらほらいたりします(漫画「オタリーマン」の作者よしたにさんに言わせると「変態スキルの持ち主」)。しかし、どれほど技術力が高くても、そもそもSEやプログラマ自体の単価が低いため、新米技術者に毛が生えた程度の給料にしかならないのが現実です。

 

「プログラムを作るのが好きだから」とモチベーションを維持してても、結局はその「好き」という気持ちを体よく利用されている気がします。おまえら好きで作ってるんだからいいだろ?と。

 

仕事を好きになること自体は尊いことなのかもしれませんが、好きという気持ちだけではおまんまは食っていけません。モノづくりに携わる人たちの「好き」という気持ちに甘えてばかりいては、そのうちに、その「好き」な人がいなくなってしまうのではないでしょうか?

 

 

 

とりとめもない内容になってしまいましたが、本コミックエッセイを読んで感じた気持ちを記事にしてみました。