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農夫のおっちゃんの10分の1程度の戦闘力で適当に生きる、意識低い系サラリーマンのブログ

【ネタバレ注意】漫画「あそびあい」を読んだ感想。快楽主義女子とピュア男子のシュールな恋愛模様!

「楽しいことがあるのにやらないのは勿体無い」がモットーでいろんな人とすぐに関係を持ってしまう女子高生・小谷さん。そんな彼女にベタ惚れして独占したがっているピュア男子高生・山下くん。

 

そんな2人の恋愛模様を描いた漫画「あそびあい」を読みました。読み始めは「絵もあまり好みじゃないし、いまいちかな・・・」とか思ってましたが、読み始めると止まらなくなり一気に全3巻読んでしまいました。

 

ネタバレ含みつつ感想を書きます。

あらすじ

 自分の欲望と快楽に素直すぎて、いろんな人とエッチしちゃう小谷さん。彼女を独占したいピュアボーイ・山下くん。そんな二人のストレンジラブストーリー。束縛とか嫉妬とか喧嘩とか倦怠期とか、泣いたり悩んだりノタウチまわったり、面倒くさいだけなのに。それでも、どうして人は恋だの愛だのを繰り返しするんだろう。――全世界共通の病“恋愛”をえぐる革命的作品!!

Amazonの商品説明より引用

 

性に奔放で、チャンスさえあればいろんな人とエッチしちゃう小谷さん。その「いろんな人」の1人である山下くんは、小谷さんと普通の恋人同士になりたくて頑張るものの空回り気味。

 

小谷さんの親友みおちゃんの介入もあり、ついに小谷さんと念願の彼氏・彼女の関係になれた山下くん。しかし、ある日小谷さんが中年男性とのお楽しみ中の現場を目撃してしまいます。

 

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10話「普通じゃない」より引用

 

激怒する山下くんに対し、「付き合ったらなんで他の人とエッチしちゃダメなの?」と涼しい表情で言う小谷さん。

 

噛み合わない恋愛模様。そもそも、「恋愛」とは何なのか、「好き」とは何なのか、山下くんと小谷さんの物語はどこへ向かっているのか。

 

いろいろと面倒くさい恋愛漫画です。

 

 

山下くんの恋愛観

山下くんの恋愛観。

 

好きな子と付き合いたい、独占したい、自分だけを好きでいて欲しいし自分以外とエッチするなんてもってのほか・・・

 

という、良くも悪くも常識的というか一般的な恋愛観の持ち主です。まあ、何を持って「一般的」とするかは議論が分かれるところかもしれませんが。

 

山下くんはこの自分の恋愛観を「正しいもの」として自信を持っており、その価値観を小谷さんにも要求します。それが小谷さんには「束縛」と映ることもあり、浮気*1され、なんやかんやで別れることになってしまいます。

 

「山下も他の女とやっちゃえば?」と旧友の宮田くんにアドバイス(?)されるも、「そんなことしたら俺の正しさの意味がなくなる!」と一蹴する山下くん。

 

そんな山下くんに対し、宮田くんが言い放った言葉がなかなか深いです。

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「てめぇは鼻くそだな。お前の正しさに価値なんてねーよ。言葉や念だけで自分や人が変わるなんて思ってんならおめでたいナルシストだ!自分の気持ちがどこに向いてんのかとことん考えて行動し続けるしかねんだよ。そんでその出た結果だけに価値があんだよ!」 

11話「白紙」より引用

 

 

小谷さんの恋愛観

小谷さんの恋愛観。

 

というか、本人も認めているように、小谷さんは「恋愛」というものがよくわかっていなさそう。山下くんに最初告白されたときも「ごめん、私そういうのよくわかんない」って振ってるし。

 

小谷さんにとっての異性とは「楽しいこと(エッチ)を一緒にする相手」であって、それ以上でもそれ以下でも無いといった感じです。上手下手や体の相性で「区別」することはあっても、それは「恋」や「好き」とはまた別物と思われます。

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13話「セーラー服と」より引用

 

 

ただ、数あるアソビ相手の中でも山下くんはやや特別な存在の模様。単に上手下手や相性だけなら中年男性の遠藤さんでも良いはずですが、小谷さんは山下くんとのエッチを一番望んでいる節があります。

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13話「セーラー服と」より引用

 

 

山下くんは小谷さんにとっての「特別」になれたのか?

小谷さんにとっての「特別」になりたがっていた山下くん。最終的にそうなれたのかどうかといえば、多分なれたのだろうと考えます。

 

「山下はさぁ、セーラー服が好きなの?ジャージじゃダメなの?」

 

山下くんの新しくできた彼女の高校の制服がセーラー服であること念頭においたこの発言。なんか普通に嫉妬しているように聞こえるけど、まさか小谷さんに限ってそんな。

 

 「何それ、もしかして嫉妬?」と問う山下くんに、

 

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20話「最近なんかおかしいな」より引用

 

小谷さんは飄々と自然体で答えます。男心を弄ぶ小悪魔的態度に見えますが、小谷さんにとっては「恋愛」がよくわからないものなので「嫉妬」もよくわからないものなのでしょう。なんとなく自覚はあるものの、はっきりとはわからない。

 

小谷さんは山下くんとの触れ合いを通じて変わり始めているのは確かかと思います。では、何が小谷さんを変えたのか、何故山下くんは小谷さんの「特別」(もしくは特別候補)になれたのか。

 

それは山下くんが小谷さんの特別になるために、エッチ以外の行為を小谷さんに求めていたのが大きいのかな、と思います。

 

思えば、小谷さんが他に関係を持っていた男性たちはエッチ以外のことはほとんどしていませんが、山下くんは「普通」の付き合いにこだわり、一緒に公園でココアを飲んだり、スーパーのタイムバーゲンに並んだりといった時間を小谷さんと共有しています。

 

小谷さんにとって「エッチ」は、ただのお金のかからない楽しい遊びの1つで「特別」なことではありません。でも山下くんとの公園デートやスーパーでの買い物は他の男性とはやれなかった「特別」な行為そのものです。

 

山下くんが「正しい」と信じていた「普通」の付き合いにこだわり行動していたからこそ、小谷さんの「特別」になれたのではないでしょうか?

 

「想いや言葉ではなく行動の結果で正しさを示せ」

宮田くんのアドバイスは的を射ていたのかもしれません。

 

 

まとめ

妙に生々しいエッチ描写に焦点が当たりがちの本作「あそびあい」 ですが、ただエロいだけの漫画じゃないですね。というか、エロ部分はむしろおまけで、各登場人物の心理や価値観の描写が見事で、思わず引き込まれます。

 

未読の方には是非ご一読をおすすめします。 

 

同作者の「恋のツキ」もなかなか面倒くさい漫画です(笑) 以下の記事でレビュー書いてます。

 

*1:山下くん視点。小谷さんはそもそも浮気と思って無さそうというか浮気という概念を深く考えたこと無さそう