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漫画「やれたかも委員会」を読んで感じた青春時代の蜃気楼、あるいは原風景

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「あの日、あの時、あの状況・・・ひょっとしたら、アレってやれてたのかもしれない!」 

 

ひょっとしてやれたかも、と思える体験談に対し、有識者(?)達が自らの知識と経験とこだわりを元に裁定を下す。

 

そんな斬新な構成の漫画「やれたかも委員会」を読みました。話題になってたの少し前なのでいまさら感ありますが、面白かった。 

 

本書の概要

 

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case001 「干し芋と横たわるあの子」 より引用

 

過去の赤裸々な「やれたかも」経験を面接形式で話し、各委員が「やれた」「やれたとは言えない」と判定を下す構成を基本にした、1話完結型のオムニバス形式。

 

メガネ女子(左の子)の裁定とコメントが毎回辛らつですが、一番現実的で的を射ているとも言えます。真ん中のおっさんはロマン重視、右側のグラサンは見た目の通りのチャラ男、三者三様個性的な委員会のメンバー。

 

 

甘酸っぱい思い出

率直に言って、この漫画ハマりました。

 

世の中に何故「恋愛漫画」や「恋愛ドラマ」が溢れかえっているかと言えば、一番普遍的なテーマで共感率が高いからでしょうが、その理屈ならば「やれたかも」という経験談は恋愛以上に共感率の高いテーマと言えるのでは無いでしょうか?実際にやれたかどうかはさておき、「やれたかも」という想いと後悔は万国の青少年共通のものといっても過言では無いでしょう。

 

読み進めるうちに過去の甘酸っぱい思い出が蘇り、思わず目頭が熱くなる(もしくは、枕に顔をうずめて悶えたくなる)こと必至です。

 

 

この漫画は面白いけど無粋

ただね・・・この「やれたかも委員会」は斬新な発想だし面白いのも否定しないんですが、それと同時にこれほど無粋な漫画もないと想うんですよ。

 

若かりし頃の「やれたかも」という思いは個々人の胸の内だけに存在する神聖不可侵の思い出であって、第三者が「やれた」「やれたとは言えない」と裁定を下しちゃうのって、身も蓋もないじゃないですか。

 

月は遠くから見るから綺麗なのであって、誰も彼もがアポロに乗りたいわけじゃないんですよ。

 

「どこまでも広がる砂漠地帯。でもあの丘を越えればきっとオアシスがあるに違いない」と信じて歩み続けた日々。

 

その淡い想いは青春時代のかけがえのない宝物なんですよ。思春期の原風景といってもいい。遥か遠くに見える楽園の景色が蜃気楼であることをわざわざ確認しにいく意味ってありますか?ちょっと何言ってんだか自分でもわからなくなってきましたが。

 

 

まあでもそんなこと言ってたらこの漫画成立しないし、面白いから無粋でも良しとしときます。