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イクメンとワーママと時代の過渡期

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「親なら育児をするのは当たり前なのに、男ばかりが『イクメン』と持て囃されるのはおかしい!」

Web記事やTwitterなどでよく目にする主張です。

 

確かにごもっともな意見とは思いますが、僕はこれを聞くたびに若干モヤっとした思いを抱きます。今回はそのあたりのことを記事にしてみました。

 

 

 

父親は「イクメン」と呼ばれて甘やかされている?

子どもが生まれた以上、父親にも母親にも育児の義務と権利があります。至極当然のことです。

 

それにもかかわらず、母親は育児をするのは当たり前、少しでも息抜きをしようものなら「子どもが可哀そう」などと周りから言われがちな風潮は未だにあると思います。

 

それに比べて父親は、少し育児に参加しただけで「イクメン」「良いお父さん(旦那さん)」などとチヤホヤされたりして...実際僕も幼稚園の先生やママ友からそういう風に言われてちょっと嬉しかったりした覚えもあります。

 

女性側が「ずるい!」「男ばっかり甘やかされてる!」と言いたくなる気持ちもたしかにわかります。 

 

 

母親にも「ワーママ」など特別な呼称がある

ただこれは「育児」と「仕事」*1を入れ替えて考えてみると、少々見える景色が変わってきます。

 

一般的に、大人が働くことは当たり前ですし、親になったなら養育費を稼ぐ必要があるのも当たり前の話です。

 

ですが、父親は働いて当たり前という有形無形のプレッシャーを受けているのに対し、母親には「ワーママ」という特別な呼称があります。

 

会社の飲み会なんかでも、

「○○の奥さん、フルタイム働いて稼いでてすごいよな、羨ましい」

なんて会話がなされてたりします。逆に、

「○○の旦那さん、フルタイム働いて稼いでてすごいよね、羨ましい」

なんて会話はそう多くないと思います。

 

男性は働いてお金を稼いで当たり前、女性が働くのはすごいこと、という古い意識がまだまだ根強いことを表してますよね。

 

「ワーママ」はちょうど位置付け的には父親の「イクメン」と似たようなものではないでしょうか?

 

最近はなかなか聞かなくなりましたが、働く女性はバリキャリ女子、キャリアウーマンなどと呼ばれて特別視されていたこともありました。男性並みにバリバリ働く女性を描いた漫画「働きマン」もヒットしてましたね。

 

 

今は時代の過渡期

まあこういう風に男女を相対化して男性を擁護するようなこと書くと、

「現在の社会システム的に女性が働くのはハンデが大きい!だからこそ『ワーママ』という言葉に意味がある!」

「夫婦共働きにも関わらず、仕事、家事、育児の分担で明らかに女性側の負担が大きい!それこそが問題なのだ!」

なんて反論も来るかと思います。そしてその反論は的を射てます。

 

しかし、父親側の意識、社会の意識が変わり始めているのも事実。最近の若い世代では夫婦円満に分担できているケースも多いですし、女性が外で働き男性が家を守る(主夫)なんて家庭もあります。

 

従来の凝り固まった役割分担ではなく、個々のライフスタイルや価値観に合わせた新しい夫婦の在り方が少しずつ形作られていく、今はまさに時代の過渡期なのではないかと思います。

 

だからこそまだまだ細かいところでは不満も出るし、女性側あるいは男性側が不公平感を感じることだってあるでしょう。個人単位では愚痴りたいことが多いのは当然です。

 

僕がモヤっとするのは、大手メディアなどがその不満部分をことさら大きく取り上げて、不満を持っている側の留飲を下げる系の記事ばかりが目立つことです。

 

自分が抱えている不満を代弁してくれる記事があればスカッとしますし、確かに留飲も下がることでしょう。でも、それだけです。そんな記事ばかり量産されていけば、長期的にみると男女の分断を煽るだけで、せっかく少しずつ進んできた男女平等の流れに水を差すだけだと思うのです。

 

繰り返しますが、今は時代の過渡期なので確かに個人レベルではまだまだ不満もあるでしょう。だからこそ、メディアには男女分断を煽る記事ではなく、男女が互いに理解し合い男女平等の流れを加速するような記事を書いていただきたいものです。  

 

 

 

 

*1:この場合、会社などで働いてお金を稼ぐことを指します