新型コロナ感染拡大の影響は国民の健康面だけではなく、実体経済にも及んでいます。
飲食店など直接的な損害が出ている業種は言うに及ばず、僕の属しているIT業界にもジワジワと不況の波が押し寄せつつあります。3月まで僕が携わっていた車載システム系のプロジェクトは予算縮小のため無期凍結となりました。
一応僕は正社員ではありますが、大不況が訪れた時には正社員とはいえ安泰な身分ではないということは、歴史が証明しています(2008年リーマンショック)。
今後も引き続きIT業界で生き残るにはどうすればいいのか、現在模索中ですが、僕的にその1つの解は「IoT技術を学ぶこと」だと考えています。
自分の軸を拡大させる
コロナショック後の混迷の時代をどう生き延びるか。この類の悩みを抱えているのはもちろん僕だけではなく、この御時世、みんな多かれ少なかれ思うところがあるかと思います。
上の記事を書いたブロガーのゆきにー (id:yuki_2021)さんは、副業に活路を見出したいとのこと。それも1つの考えだと思います。
- 副業に挑戦するのか
- 本業に精を出してスキルアップを図るのか
- 現在とは全く異なる業界に飛び込むべく準備をするのか
各人の抱える状況やスキルセット、預金残高などによってこのあたりの対応は千差万別になることでしょう。
僕は他業界にエイヤッと飛び込むような器用さや勇気は持ち合わせていないし、副業も一応やってはいますがまとまった額を稼げる見通しがなかなか立たないので、基本的には現在の本業を軸にするつもりです。
僕が今までに経験したことのある業務は、
- リアルタイムOSを製品に合わせてカスタマイズ
- 各種センサーを制御するソフトウェアの開発
- 車載ネットワーク(CANやMOSTなど)周りの開発
などなど。組み込み系と呼ばれるシステム開発の中でも比較的下回り(ハードウェアに近い部分)の開発経験が主です。最近流行りのPythonを用いたディープラーニングなども少しだけかじったことがありますが、業務経験と呼べるほどではありません。
これら経験を元に、スキルを同心円状に拡大させていこうと考えています。
今後はますますスマートファクトリーの重要性が増すはず
では具体的にどんなスキルを身につけるべきか。
これからの時代を生き残ることを考えるなら、当然これからの時代に需要が伸びる分野である必要があります。
いくつか考えられますが、そのうちの1つは「スマートファクトリー」ではないでしょうか?
センサや設備を含めた工場内のあらゆる機器をインターネットに接続 (IoT:Internet of things) し、品質・状態などの様々な情報を「見える化」し、情報間の「因果関係の明確化」を実現し、設備同士 (M2M:Machine to Machine) ないし設備と人が協調して動作する (Cyber-Physical System) ことにより実現する。
新型コロナ感染リスク回避のためにいろんな業種や職種でリモートワークの流れが加速していますが、なかなか対応できていない仕事も多いです。工場作業もその例に漏れず、工場で働いている友人はリスクを承知で出勤せざるを得ないと嘆いています。
スマートファクトリーの普及によって工場内の機器がインターネットにつながれば、すべてではないにしろ、現場まで出向かなくてもできる仕事が増えていくはずです。
単に生産性を上げるだけではなく、従業員の健康を守るためにもスマートファクトリー化の流れはマスト。であれば、スマートファクトリーを実現する中核技術であるIoT技術の需要が今後ますます高まるはず。この周辺のスキルを押さえておくべきではないかと思います。
IoT化に必要なセンサー制御は僕が得意としている分野でもあり、現在のスキルセットと相性も良いので狙い目かなと。
IoTを基礎から学び直す
この記事タイトルでは偉そうに「IoT技術を学ぶべし!」なんて書いてますが、僕はIoTは決して詳しいほうではありません。
一応スマートファクトリー関連でIoT機能を備えた工作機械の開発に携わったことはありますが、わからないことを都度調べながらのツギハギ作業(笑)だったため、体系的に学んだことが無いのです。
そこで、おさらいの意味も含めて基礎から学び直そうと、下記書籍を買ってみました。
上記書籍は、
- IoTを取り巻く動向
- IoTの活用例
といった基礎的知識から始まり、
- センサーやデバイス制御をする上で必須となる電子部品の知識
- ネットワーク規格
- IoTシステムを陰で支えるバックエンド(サーバ側)
- 実際にIoTを活用するためのアプリケーション
- IoT普及と切っても切れないセキュリティの問題
などの技術情報が広く(その分やや浅く)網羅されています。
この本を読むだけでいきなりIoT開発の最前線でバリバリ働けるようになる!・・・ようにはならないとは思いますが、IoT技術者になる上でどのような知識・技術が必要になるのか、道しるべとなる最初の一冊としては悪くないですね。
後半はRaspberry Pi*1を使用した実践例も書かれているため、ふわっとした理解で終わらずに『モノ』をイメージしやすい構成になっているのも高評価です。
*1:ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータ