探偵小説の代名詞「シャーロック・ホームズ」。
「シャーロキアン」と呼ばれる熱狂的ファンも多く、作者アーサー・コナン・ドイルの手によって生み出されてから1世紀以上経ても色あせない永遠の名作です。
シャーロック・ホームズ初心者の場合、
「最初の1冊目、何から読み始めればいいかわからない」
という人もいるかと思います。
僕は最初の1冊目には、短編集第一弾「シャーロック・ホームズの冒険」(創元推理文庫版)をおすすめします!
時系列で考えると順番は「緋色の研究」「四人の署名」が先だけど・・・
物語中の時系列から考えると、長編2作
- 緋色の研究
- 四人の署名
が先ですが、個人的にはここはあまり気にする必要はないと思っています。
短編集「シャーロック・ホームズの冒険」は、長編2作のヒットを受けて新たに創刊された「ストランド・マガジン」という雑誌で連載していた短編をまとめたものです。
作者は雑誌の定期購読者になってほしいとの思いから、過去の長編で登場させた探偵シャーロック・ホームズを主人公に据えることを思いつきます。
雑誌でシャーロック・ホームズを初めて知る人でもすんなり入っていけるように、シャーロック・ホームズと相棒のワトスンの関係性、2人の性格や趣味趣向、これまでに解決した事件の経緯などを作中で解説してくれているため、長編2作未読でも抵抗なく読み進めることができます。
シャーロック・ホームズという特異なキャラのエッセンスは十分すぎるほど詰まっているので、まずは短編集で気軽に読め始めることをおすすめします。長編を読むのはその後でもいいかな、と。
深町眞理子さんの翻訳が読みやすい
短編集「シャーロック・ホームズの冒険」は複数の出版社から出されていて、2019年7月現在、Amazonで購入できる文庫サイズの本だけでも、
- 光文社文庫
- 新潮文庫
- 創元推理文庫
- 河出文庫
- 角川文庫
と、これだけの版があります。(児童向け除く)
僕がこの中で創元推理文庫版を推す理由としては、
「出版年月が一番新しいこともあり、翻訳が現代風でわかりやすい」
ためです。
深町眞理子さんは御年80を超えるベテラン翻訳家で、自然な翻訳がすっと頭に入ってきます。
海外翻訳小説は例え内容がどれだけ面白くても翻訳が読みにくいとつらいので、このポイントは重要です。
創元推理文庫版は表紙が渋くて格好良い
あと、創元推理文庫版を推す理由がもう1つ!ただの個人的趣味ではありますが、「表紙が格好良い!」という点ですw
落ち着いた色合いの地に、モノトーンでホームズとワトスンが描かれていて、実に渋いです。