37歳サラリーマンになった金田一(元)少年が活躍する漫画「金田一37歳の事件簿」の3巻を読みました。
読了直後の感想を書きます。思いっきりネタバレしてますので、未読の人はご注意ください。
マダム3人組の犯行が穴だらけ
「金田一少年の事件簿」に出てくる犯人って頭が良くて用意周到なタイプが多いですよね、基本的に。
金田一少年も戦慄した表情を浮かべながら、
「悪魔的に天才的な頭脳を持った犯人だよ」
「犯人は慎重すぎるほどに綿密に計画を練って反抗に及んだんだ」
と、犯人に対して畏怖を覚えているような場面が多々描かれていました。
それに比べて金田一37歳に登場する犯人はなんか微妙です。特に今回の「タワマンマダム殺人事件」の犯人であるマダム3人組はどうにも抜けてるというか、犯行が穴だらけなのが気になりました。
- 被害者のスマホの着信履歴消そうとして間違えて電話かけてしまう(そもそも被害者の携帯を意味も無いのに操作するなって話ですが)
- 自殺に見せかけるつもりが途中で計画変更してヨガの先生を犯人に仕立て上げることを思いつく
- 首筋を隠すためのスカーフを直前に用意する
などなど、犯人たちのダメな点やポカを挙げはじめるとキリがありません。いかに長年のブランクがある金田一37歳と言えど、ここまでザルな犯人相手ではやや物足りないくらいかもしれません。
今回は口だけ男・真壁刑事(高校時代のミステリ研会の先輩)が担当刑事だったので自殺として処理されちゃいそうでしたが、まともな刑事が担当についてれば金田一がいなくても普通に警察だけで解決できていたレベルの事件だった気もします。
今回の金田一はそこそこやる気あった
詳細な理由はまだ不明ですが、何故か事件だの探偵だのへの関わりを避けたがっている金田一37歳。実際1~2巻のオペラ座の事件では最初のうちはてんでやる気がありませんでした。
でも今回の事件では、
「だから~~俺はもう謎は解きたくないのに~~~」
「謎はすべてとけちまった・・・」
とか言っている割には結構ノリノリで事件解決に向けて動いていた気がするんですよね。そういう意味では犯人たちにとっては不運だったとも言えます。
マダム3人組の犯行があまりにずさんだったのでツッコミを入れざるを得なかったのか、ジッチャンのことを「現代では通用しない探偵」と馬鹿にされたことで発奮したのか、事件に関わっているうちに昔の血がうずきだしたのか・・・
そのあたりの動機はまだわかりませんが、少しずつやる気を出してきた金田一37歳の4巻以降の活躍が楽しみです。というか、美雪は一体いつになったら登場するんだ・・・