意識低い系ドットコム

漫画の感想、IT業界のよもやま話、古銭収集など、雑多な話題を意識低くお届けします

【ネタバレ注意】金田一37歳の事件簿の4巻を読んだ感想/少しずつ金田一らしくなってきた?

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

「金田一37歳の事件簿 」4巻を読み終わりました。ネタバレ含みつつ感想を書きます。

 

 

 

【タワマン事件・後半】不完全燃焼な事件だった・・・

3巻の時点でタワマンの事件は既に謎が全て解かれていましたが、4巻前半では3人組の奥様が何故殺人に至ったか、その理由が語られます。

 

複雑に入り組んだ人間関係から生み出される、生々しくも切ない犯人の事情・・・それが金田一シリーズの醍醐味の1つだと僕は考えています。

 

わざわざ巻をまたいでまで殺害動機を引っ張ったので、さぞかしドロドロした物語が明らかになるんだろうな・・・と思ってたんですが、なんか結構あっさりしてました。

 

いやまあ、恨みを抱くことになったエピソードは3人ともそれぞれ洒落にならないような事件で、確かに殺害動機としては説得力はあったんですが・・・何ていうんですかね、語られ方があっさりしすぎているというか、金田一シリーズらしさがあまり感じられませんでした。

 

タワマン事件は個人的には不完全燃焼でした。

 

 

【旧家の家元事件・前半】怪しいと睨んだ人物が被害者になってしまった・・・

タワマン事件に比べて、京都を舞台に始まった華道の家元の事件は期待できそうな気がします。やっぱ金田一シリーズは、旧家とか御屋敷とか、そういう古めかしい舞台装置のほうが作品の雰囲気にも合ってますね。

 

序盤からただならぬ雰囲気が漂っていましたが、金田一たちが泊まった初日の夜に早くも事件発生。第一の被害者は、京極家の双木の姉妹の片割れ、妹の京極桜子(25)。

 

当初の見込みは、リベンジポルノをバラまかれたことを苦にしての自殺、という線でしたが、当然のことながらそんなわけはないですよね。推理物で最初に自殺を疑うのはまあ軽いジャブみたいなものですし。

 

推理が当たった試しがない僕が最初に疑ったのは、姉の薫子でした。

 

「双子が登場したら入れ替わりトリックを疑え!」というのはミステリーの鉄則ですが、そもそも動機とされたリベンジポルノ写真、あれに映っていたのは桜子ではなく薫子ではないかと思うんですよね。

 

これ見よがしに日付入りのニュース番組がバックに流れているのも出来過ぎてますし、アリバイを確保したうえで桜子になりすましてリベンジポルノ写真を流出させ、桜子の自殺動機を捏造したのではないか、と。

 

しかしその薫子はあっさりと第二の被害者となってしまい、僕の推理もあっさりと打ち破られました。ただ、薫子が殺される直前に真犯人と思わしき黒影の人物とやり取りしていた内容を考えると、薫子も完全なるシロでは無さそうですよね。

 

桜子を殺したのは薫子(そう仕向けた、躍らせたのは真犯人?)。

桜子を殺した証拠を薫子に突き付けて脅し、逆上した薫子を黒影の人物が返り討ち。

 

今わかっている範囲だけだとこんな感じに見えますが、まだまだどんでん返しがありそうです。薫子の遺体から首が無くなっている理由も明らかではないですしね。

 

複雑に張り巡らされた謎や、雰囲気溢れる舞台設定、緊迫感のある展開、「金田一37歳の事件簿」もだんだんエンジンがかかってきた気がします。5巻発売が楽しみです。