最近漫画や小説ばかり読んでいる気がするので、たまには意識の高い本でも読んでみようかと思い立ち、「会社では教えてもらえない残業ゼロの人の段取りのキホン」という本に手を伸ばしてみました。感想をつらつらと書いてみます。
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残業禁止期間や自宅待機期間の次に来るのは残業地獄
まあそもそも、「残業ゼロの段取り」とか考えるまでもなく、現在弊社は絶賛残業禁止期間中なんですけどね。それも、働き方改革だとかなんとか大層な理由ではなく、単純に仕事が少ないことにより会社の収益が減少しているため、少しでも人件費を圧縮するためです。新型コロナの影響です。早く経済が正常軌道に戻ってほしい・・・
では何故そんな時期に「残業ゼロの段取り」を手に取る気になったのか。それは、
「不景気による残業禁止や自宅待機期間の後には残業地獄が待っている」
可能性が高いことを、リーマンショック時の経験から学んでいるからです。あの当時も仕事が一時的に激減したために残業禁止が発令されたり、1か月ほど自宅待機(休業扱い)したりしてました。
その後、
- 従業員の半数近くがリストラされる
- まともな仕事が全然取れないので、納期や予算的に無理目な仕事を営業さんが取ってくる
- 通常でも納期のヤバい仕事を、リストラにより人数半減した技術者陣で着手する
- 結果、月間残業時間が200時間を超える。
概ねこんな経緯で残業地獄の渦中に巻き込まれました。比喩とか抜きで、本当に地獄でした。
今回のコロナ禍に端を欲した不景気でも同じ経緯を辿るとは限りませんが、備えておくに越したことはありません。二度とあんな地獄はごめんなので。
そんなわけで、少しでも残業地獄に陥る可能性を減らすために、「会社では教えてもらえない残業ゼロの人の段取りのキホン」を読んでみたというわけです(前置き長くてすみません・・・)
そもそも『段取り』とは?
働き方改革という時代の流れやに乗り、どの会社も多かれ少なかれ残業抑制圧力があることかと思います。でも、だからといって仕事が減るわけでも無ければ、会社側が簡単に人を増やしてくれるわけでもありません。
「しっかり段取りを決めて納期までに仕事を終わらせるように」
と、上から口を酸っぱくして言われたところで、じゃあ具体的にどうすればいいのか、そもそも『段取り』って何よ、って話ですよね。
考えてみれば、会社の研修や教育で業務や技術の知識を教えてもらうことはあっても、仕事の段取り方法を体系的に教えてもらった覚えがありません。まあ、会社は学校ではないのだから、社会人なら自分で身に着けろってことだと思いますが。
今回紹介する「会社では教えてもらえない残業ゼロの人の段取りのキホン」では、『段取り』とは何かというところから説明してくれています。
本書では『段取り』を、
「仕事をさばく速度を速くする=メールを速く打つ、キーボードを速く叩く」
ではなく、
「先を読んだ行動ができること」
を指す、としています。
ふむ、わかったようなわからんような・・・というか、エスパーやニュータイプじゃあるまいに、それができれば誰も苦労しないんですが、何か裏技的なコツがあるんでしょうか?
段取りの良い人と段取りの悪い人の差
先を読んだ行動ができる人は、最初の一歩が違う、と筆者は書いています。本文中の図から引用します。
なるほど、わかりやすい。
「先を読む」とは言っても、別に未来予知をするというわけじゃない。というか、そんなこと普通は誰にもできません。
仕事のほとんどは他人と一緒にやるものです。ここがわかっているかどうかで最初の一歩が変わってくるし、最初の一歩の踏み出し方によって先を読むことも可能になってくるというわけですね。上の例ではあらかじめ上司に目的を聞くことによってそれをクリアしています。
ただ、世の中にはいろんなタイプの人がいる(目的を重視する人、経緯を重視する人、など)ため、同じやり方でいつも通用するとは限りません。相手のタイプ別の対応方法は、以前本ブログでレビューした「人間はたったの4タイプ 仕事の悩みは「性格統計学」ですべて解決する!」がわかりやすかったです。
要所要所の図解がわかりやすい
本書では他にも、
- スケジュールは埋めたほうが余裕が生まれやすい
- 目の前の仕事に飛びつく前に考えるべきこと
- 自分の1時間あたりのコストを考える
- 「手段の目的化」に潜む罠
- 「やり直し」を防ぐコツ
- 紙に書いて整理することの重要性
などなど、仕事を進めるうえで重要になるポイントや汎用的なコツについて、具体的に説明されています。要所要所でわかりやすく図解されているので、さらっと流し読みしても結構頭に入ってきます。
中には、
「そんなことわざわざ教えてもらわなくても、常識だろ?」
と思う項目もあるかもしれないので、目次をざっと眺めてみて「おっ!?」と思った章をつまみ食い的に読むのもアリかもしれません。