「ミステリー読んでみたいけど、長編を読むのは疲れる・・・サクっと読める短編でおすすめないの?」
という非ガチ読書家の人向けに、おすすめのミステリ短編集を厳選して5冊紹介します。
シャーロック・ホームズの冒険(創元推理文庫版)
読みやすさ:★★★★☆
結末の意外性:★★☆☆☆
読後感:★★★☆☆
探偵小説の金字塔シャーロック・ホームズシリーズより、短編集第一弾「シャーロック・ホームズの冒険」を選出しました。シャーロック・ホームズシリーズは複数の出版社から出されていますが、創元推理文庫版の訳が読みやすくて好きです。
ホームズに振り回されつつもホームズの類まれなる推理力に心酔するワトスン視点で、12の短編が綴られています。個人的には、「赤毛組合」「ボスコム谷の惨劇」「くちびるのねじれた男」「青い柘榴石」「まだらの紐」あたりがお気に入り。
この短編集はシャーロック・ホームズ初心者の最初の一冊としてもおすすめです!
ポワロの事件簿 1
読みやすさ:★★★☆☆
結末の意外性:★★★☆☆
読後感:★★★☆☆
推理小説を語るなら、ミステリの女王「アガサ・クリスティ」を避けては通れません。
クリスティ作品に登場する探偵の中でも特に有名なのはエルキュール・ポアロとミス・マープルの2人ですが、僕のイチオシはポアロです。
ポアロの灰色の脳細胞から紡ぎだされる名推理の数々を気軽に堪能したいなら、短編集「ポワロの事件簿(1)」がおすすめです!1編あたりのボリュームが20~30ページと短めなのでサクサク読めます。
九マイルは遠すぎる
読みやすさ:★★★★☆
結末の意外性:★★★☆☆
読後感:★★★★☆
探偵役が現場に出向かずに頭の中の推理だけで事件を解決する、「安楽椅子探偵」モノの定番です。
ニコラス・ウェルト(通称ニッキィ)がなかなかプライドの高い男で(探偵小説の主人公は大抵そうですが)、
「推論というものは、理屈に合っていても真実ではないことがある」
という持論をぶち上げ、それを証明するために、とある推論を組み立てていたら棚から牡丹餅、本当に事件を解決してしまった!というお話。
癖の強い性格なのにどこか憎めない「ニッキィ」と語り部の「わたし」の軽妙なやりとりが楽しいです。
満願
読みやすさ:★★★★☆
結末の意外性:★★★★★
読後感:★★☆☆☆
「古典部シリーズ」「本と鍵の季節」等、少しほろ苦い青春ミステリーを得意とする米澤穂信氏ですが、この短編集「満願」は「少しほろ苦い」などといった生易しいレベルではなく、人間のドロドロした内面が存分に表現されています。
それだけに読後感はあまり良くないですが(読了後、結構引きずりますw)、人間心理の織り成す濃厚なドラマを楽しみたい人にはおすすめの一冊です。
2分間ミステリー
読みやすさ:★★★★★
結末の意外性:★★☆☆☆
読後感:★★★★☆
今まで挙げてきた短編集は1編が30~60ページほどありますが、
「数十ページも読んでられないよ!もっとすぐに読み切れる短編は無いの!?」
という、筋金入りのものぐさ・・・もとい、短編派の人には「2分間ミステリー」がおすすめです。
1編あたりの文量はわずか2ページで、その名の通り2分で読み終えることができます。話のクオリティは当たり外れも大きいですが、「たった2ページなのに上手にまとめたなぁ・・・」と感嘆させられるネタもあります。