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話が重くない米澤ミステリーを読みたい人は「小市民シリーズ」がおすすめ!

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アニメ化もされたデビュー作「氷菓」(古典部シリーズ)をはじめ、「インシミテル」「満願」「ボトルネック」 「追想五断章」などなど、数々の名作ミステリーを生み出している米澤穂信氏。

 

緻密に練りこまれたストーリー構成や人物描写には定評がありますが、いわゆる「重い話」が多い気がします。

「米澤さんの小説は面白いし読みやすいけど、読み始めるまでにパワーが要る・・・」

という読者も多いんじゃないでしょうか。僕がそうですw

 

そんな人には、米澤ミステリーの中でもあまり話の重くないライト・ミステリー「小市民シリーズ」がおすすめです。 

 

 

小市民を目指す男女の互恵関係

中学生時代にその類まれなる推理力を披露した際に苦い経験を持つ主人公・ 小鳩常悟朗と、同じような境遇を過ごしてきたもう一人の主人公・小佐内ゆき

 

2人は恋愛関係にも依存関係にもありませんが、ともに平穏無事な高校生活を送るために小市民を目指す互恵関係(小市民でいられないような状況になりそうなときはおたがいがお互いを逃がす)にあります。

 

設定を聞いただけでも実に米澤作品らしい面倒くさそうな登場人物たちですが、この作品はそんな2人が高校生活の中で起きる日常的な事件を解決する様を描いています。 

 

2019年8月現在、

  • 春期限定いちごタルト事件
  • 夏期限定トロピカルパフェ事件
  • 秋期限定栗きんとん事件 上下巻

が刊行されていますが、最終的に「冬期限定~」が出て完結する予定になっています。

 

 

ほぼラノベ

刊行レーベルこそ大人向けの「創元推理文庫」ですが、

  • 主人公・小鳩常悟朗の1人称語り(米澤作品はほとんどそうですが)
  • キャラクターの性格や属性設定が際立っている
  • さくさく読める軽い文体

という特徴から、挿絵こそないものの、ほぼほぼラノベであると言っても過言ではありません。

 

 

程良い剣呑さ

  • 高校生の学園生活を舞台にしている
  • 人の死なないミステリー
  • 主人公たちの性格が若干ひねくれている 

 というと、省エネ主義の折木奉太郎が活躍する「古典部シリーズ」を思い浮かべる人もいると思います。

 

実際のところ、ノリというか雰囲気は結構近いです。個人的には古典部シリーズのように小市民シリーズもいずれアニメ化してほしいなと思ってます。

 

ただ、古典部シリーズが剣呑さ(登場人物たちが危険な目に合うかも?という心配)とは無縁であるのに対し、小市民シリーズはほんの少しだけ剣呑な雰囲気になることがあります。

 

「日常ミステリーは好きだけど、平穏過ぎてもつまらない。ちょっぴりスリルという名のスパイスが欲しい。」

という人には、まさに小市民シリーズはうってつけです。是非手に取って読んでみてください。