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「人それぞれ」は万能で陳腐な言葉だけど、理解するのは意外と難しい

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「そんなの人それぞれじゃない?」

という言い回し。あらゆる場面に活用できる便利な結論です。

 

便利すぎるがゆえに多用されがちなので、拒否反応も起きます。

www.nichi-petit.com

 

上記記事もそんな拒否反応のひとつ。確かに、人それぞれであることなんて大前提であり、人それぞれ異なるからこそ意見を交えるわけです。それなのに、「人それぞれ」で結論付けられてしまっては、何も話が広がりません。

 

これが「意見」であればまだ議論することによって分かり合えることもあるかもしれませんし、歩み寄りもできるでしょう。

しかし、その人の根本的な価値観、生活習慣、癖などになるとなかなか容易にはいきません。それこそ「人それぞれ」としか言いようのないこともあります。

 

「人それぞれ」であることを心底実感させられるのは、多くの人にとって結婚後のことではないでしょうか?それまで違う家族、違う環境、違う生活習慣で生きてきた他人同士が一緒に暮らすことになるのです。大なり小なり衝突が起きないわけがありません。

 

下記のはてな匿名ダイアリーの記事がそれを端的に表している気がします。

anond.hatelabo.jp

ただ!
「熱いものは出すな!」
とこれしか言ってないのに嫁が守らない
均等にアツアツならちょっと時間を潰して湯気が出ないぐらいになってから食べるんだが
嫁の悪癖は米のご飯だけをアツアツにして出すことだった

 

上記記事の夫は熱いご飯を食べるのが苦手で、それを散々妻に訴えているのに、妻は炊き立ての熱いご飯しか出してくれない、とのこと。

 

「ご飯を少し冷ましてから出すことくらい簡単なことなのに、どうして妻は守ってくれないのか?」それが夫側の言い分です。

 

僕は以下のコメントを書きました。

専業主婦の嫁がアツアツご飯を出してくるので離婚危機

増田にとって熱いご飯を食べることが苦手なように、奥さんはご飯をあらかじめよそって冷ましておくのが苦手なんだろうね。苦手なことは人によって違うし、周りからは「なんで?」と思われがち

2017/05/19 08:00

 

この奥さんがどうして熱いご飯しか出してくれないのか。その真意は元記事の内容からだけではわかりません。「ご飯は炊き立てに限る。冷たいご飯を夫に食べさせるのは嫌」と考えているのか、それともご飯を冷やすことをついつい忘れてしまうのか。いくつか理由は考えられます。

ひとつだけ言える事は、この奥さんにとって「冷えたご飯を出す」ということは元の記事の書き手が考えているほど簡単なことではなく、難しいことだと言うことです。

 

何が苦手で何が得意か。何にこだわりを持っているか。どんな価値観を備えているのか。それらは「人それぞれ」であるので、他人からは「なんでそんなこともわからないの?(できないの?)」と見えてしまうのでしょう。

 

元記事の書き手の嗜好である「冷たいご飯が食べたい(or冷たいご飯しか食べられない?)」にしても、そうでない人間から見ると「なんで?」と思ってしまうものです。

僕は自宅内の使い終わった部屋の照明を切り忘れることが多く、よく妻に叱られます。「部屋を出るときにスイッチ消すだけなのに・・・」と。たしかにその通りなんですが、ついつい忘れてしまうのです。

 

人間の特性は人によって異なります。10人いれば10通りの特性があります。それこそ使い古された表現である「人それぞれ」なんですが、この言葉自体は広く世間で「共有知」として持たれていても、本当の意味でそれを理解することはとても難しいことなのだな、と感じます。