いまはインターネットで個人でも気軽に情報発信できるようになった時代です。書くことによって収入を得る「ライター」に興味を持っている人も多いのではないでしょうか?
ランサーズなどのクラウドソーシングサイトで「1000文字100円の記事案件」のようなとんでもなく低い単価がつけられている、などという話も聞こえてきますが、こんな単価でライターとして食べていけるのか?1流のライターはどのくらい稼いでいるのか?そのあたり気になると思います。
そんな疑問に答えてくれるのが、フリーライター・小川晶子さんの著作「ライターはいくら稼げるのか?」です。
ライターはいくら稼げるのか?: ライター希望者、新人ライター必見!「書くこと」でもらえるお金のリアルな話
- 作者: 小川 晶子
- 出版社/メーカー: さむらいコピーライティング
- 発売日: 2016/02/10
- メディア: Kindle版
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内容をざっくり紹介しながら感想を書いてみます。
100円ライターは存在する
1記事を100円で請け負う、いわゆる「100円ライター」は実際に存在するらしいですが、これでは食べていくどころか副業にすらならないと本書内で書かれています。まあ、素人考えでもそうだろうな、という感じですがw
「美容系の記事書いたことあります」「ガジェット系記事の仕事を20件ほど請けたことがあります」といったいわゆる実績作りのためだったらこういう激安案件を受けるのもありですが、ライターとして食べていきたいならなるべく早く抜け出すべきと著者は警告しています。
相場はあってないようなもの
100円ライターはいくらなんでもお話にならないとはいえ、ではいくらくらいが適正相場なのか?これは正直なかなか断言できるお話でもないようです。
ライター業界では原稿用紙1枚(400字)あたりで計算することが多いようですが、紙媒体だと原稿用紙1枚で概ね1万円程度(1文字25円)、Webメディアだと5000円程度とのことです。もちろんキャリアによってかなり変わるようですが。
著者は「全力で空気を読む」という表現を本書内で何度も使っています。このあたりはクライアントとの交渉次第なのでしょうね。
自分メディアの重要性
高単価の仕事を請けようと思ったら、ランサーズなどで仕事を探すのではなく、ブログでもなんでもよいので自分メディアを持ち、クライアントの側から「あなたに頼みたい」と依頼してくるような形をとらねばならない、と筆者は言っています。
たしかに、相手がどの程度の文章を書けるのかよくわからない状況では、クライアントの側もなかなかお金を出しづらいというのはわかります。ライターにとっての自分メディアは、履歴書やスキルシートみたいなものかもしれませんね。
ゴーストライター(ブックライター)でも印税は入る!?
本書を読んで一番驚いたのがこれです。有名人などが本を出す際に、著者の代わりとなって本を書き上げる人、いわゆるゴーストライター(業界ではブックライターというらしいです)という存在は結構メジャーとは思いますが、なんとゴーストライターでも印税は入ってくるそうなのです。僕はてっきり「1冊○○万円」のような買い切り型の単発仕事だと思っていたので、かなり意外でした。
実際印税が何%もらえるかは、本を出す著名人との力関係にもよりますが、3%~7%程度とのこと。仮に1000円の本が大ヒットして100万冊売れて、5%の印税を得られたとすると、5000万円。なかなか夢のあるお話ですね。
1000万プレイヤーを目指すならブックライターに注力
著者は自分自身の年収と内訳を公表していますが、年間約1000万円をライター業で稼いでいるらしく、収入の半分はブックライターとのことです。
高年収のライターを目指すには、まずは業界内で名前を売り、割の良いブックライター案件を獲得するのが近道のようです。
1000万円超のプレイヤーを目指すには独自コンテンツを持て!
では、1000万円以上のプレイヤーを目指すにはどうすればいいか?依頼された記事のみを書く請負型のライターではなく、独自コンテンツを電子書籍などで販売していく必要があると著者は考えています。そのためには自分自身をブランド化してブランドライターになる必要があるとか。このあたりの考え方はプロブロガーにも通じるものかもしれません。
まとめ
その他、ライター業に関わる話が赤裸々に「ライターはいくら稼げるのか?」に綴られています。
ライターはいくら稼げるのか?: ライター希望者、新人ライター必見!「書くこと」でもらえるお金のリアルな話
- 作者: 小川 晶子
- 出版社/メーカー: さむらいコピーライティング
- 発売日: 2016/02/10
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本書は全編に渡ってお金のことしか書かれていませんが、いやらしい感じもしなく、すっと頭に入ってくる文章で読みやすいです。さすがはプロのライターさんといったところ。ライター業に興味のある人は読んでみるといいかもしれません。