現在30代半ばの僕にとって、物心ついたときには既に世の中には男女平等の空気が色濃く流れていました。小学校のときの担任の先生も「男らしさ、女らしさなんて時代遅れ!僕は男女差別しない。だから男子も女子も平等に『さん』付けで呼ぶよ」と担任初日の日にわざわざ宣言していました。
そんな担任と空気感の中で多感な年頃を過ごしたせいか、僕自身も「男らしさ」や「女らしさ」についてはいつしか懐疑的になっていきました。そんなものは旧時代の大人たちが作った幻想に過ぎないのだろう、と。
考えに変化が訪れたのは、自分の娘(現在4歳)と息子(同2歳)が生まれてから。
例えば、玩具。
おもちゃ屋に連れて行って「好きな玩具を選びな」と言うと、娘は大抵ぬいぐるみを選びます。友達8人、アンパンマン、妖怪ウォッチなど、そのときハマっている番組のぬいぐるみを買ってもらうと大喜び。ぬいぐるみを抱きしめたり手をつないで歩いているところを見るのはたまらなく可愛いです。
逆に息子はあまりぬいぐるみを好みません。娘(お姉ちゃん)が持ってるから、という理由でたまに気になることはあるようですが、基本的には無関心。それよりも自動車や電車などが好きで、乗り物の絵本を買ってあげると目をキラキラさせて喜ぶところが可愛いです。
例えば、料理。
娘は最近やたらと料理を手伝いたがります。包丁で野菜を切ったり、フライパンで炒めたり(もちろん危ないので介助したり見守ったりしながら)・・・特にお米をとぐのが何故か大好きで、こちらがとっととお米をといでしまうと、すごい勢いで怒ります。娘に手伝ってもらうと逆に時間と手間が増えるので、忙しいときとかは勘弁してと思わなくも無いですが、手伝おうとするその姿勢がとても嬉しいので、なるべく手伝ってもらってます。
息子は食べるほうはともかく作るほうは興味まるで無し。そもそもまだ手伝えるような年齢ではない、というのもありますが、娘は2歳くらいのときにはすでにキッチンのほうを興味津々に眺めていたので、やはり違いがあるなと感じます。
玩具の趣向や料理への関心など、昔からよく言われるステレオタイプな「男らしさ」「女らしさ」のイメージに幾分当てはまっています。別に周りの大人が「女の子なら料理しなくちゃ!」とか、「男の子なら乗り物とか好きでしょ?」と誘導したわけではなく、自然発生的なものです。
もちろんこれは「うちの子ども達」という極めてローカルな世界の話なので、ただちに一般化できるものではないかもしれません。しかし、自分の子ども達という一番身近な存在でそれを感じると、やはり「男らしさ」「女らしさ」はあるのではないかと思えてきます。「男らしさ」「女らしさ」の一部(あるいは大半)が、旧来的な慣習や時代錯誤なものがあるとしても、すべてを否定しなくてもいいのかもしれません。
もちろん人権は平等ですが、男と女が異なる生き物というのは厳然たる事実なわけですから、そこに性格的な特徴の違いが現れても不思議ではないのかな、と。