いやー、アニメ【推しの子】最高に面白いですよね!
サスペンス要素あり、恋愛要素あり、熱血展開あり、エンタメで必要な要素を過不足なく詰め込んでいる贅沢過ぎる作品。
原作も相当面白いですが、アニメでは作画クオリティや音楽や光の表現などの演出効果も相まって、まさに神アニメといっても差し支えない出来映え。こんなにアニメにハマったのも久しぶりです。
このアニメを語る上で外せないのは、OP主題歌「アイドル」(YOASOBI)とED主題歌「メフィスト」(女王蜂)の存在。
本記事ではED主題歌「メフィスト」を聴いた感想を主に歌詞の面でつらつらと書いてみました。曲ももちろん最高なんですが、音楽ど素人の僕にはどこがどう良いのか上手く説明できないので...
【推しの子】のネタバレ要素含んでますので、ご注意ください。
作品への理解と愛情がすごい
まず何よりも言いたいのはコレ!作詞作曲担当した薔薇園アヴさんの、【推しの子】に対する理解と愛情の深さ。OP主題歌「アイドル」ほど直接的な表現ではありませんが、相当原作を読み込んでないとこんな歌詞は書けないだろうなと思わされるフレーズの数々。
特に最後の、
さあ 星の子たちよ よく狙いなさい
またたきを許さない あなたたちならば
のくだりは、他の部分に比べてやや不穏でちょっと「ん?」と思ったんですが、薔薇園アヴさん曰く、この歌詞は【推しの子】作中に出てくる不思議少女*1の目線とのこと。なるほどねぇ、と思わず唸りました。
アヴさん自身この部分の歌詞は自然と出てきたそうで、後から理由を考えてみたところ、不思議少女の目線だったと思い至ったとのこと。理屈ではなく魂レベルで【推しの子】を理解されているということですよね。さすがです。
作画担当の横槍メンゴ先生も「私よりも【推しの子】理解しているかも」と発言されてましたw
そのあたりの話はYoutubeで対談動画上がっているので、見てみてください。
センスがすごい
この曲は至る所でセンスの良さが光ってますよね。
特に僕が好きなのはこのフレーズ↓
星は宝石の憧れ
星→スター→星野アイ
宝石→双子(アクアマリンとルビー)
アクアとルビーにとって、アイはいつまでも憧れの存在であるというこの物語の根幹を成す関係性をたったこれだけの短いフレーズで表すそのセンスは脱帽です。
ちょっとだけ異議を唱えたい部分
もうほんとこの曲は完璧で究極のED主題歌なんですが、個人的には「ちょっとここは解釈違うな」って思う箇所が1つだけありました。
それは、
I've never seen such a liar
生まれつきたっての底なし
の部分。
アイは「私にとって嘘は愛。全力で嘘をついてきた」と作中でも述べている通り、嘘つきなのは間違いないんですが、問題はそれが「生まれつき」だったのかどうかという点。
本編でもちょっと触れられていますし、赤坂アカ先生の書き下ろし小説「45510」でも語られているように、アイは幼少期に母親から虐待を受けています。
つまりアイの嘘をつく能力は生まれつきのものではなく、本心を出さずにその場に沿った言動を取ることで母親からの虐待被害を減らす防衛作用によって生み出されたもの、つまりは環境によって生み出されたものなんじゃないかなという気がしています。
もちろん僕の解釈間違いの可能性も大なんですが、ちょうど2023年6月時点連載中の本編ではアイの過去や本心に迫る映画編が進んでいるので、今後【推しの子】本編でこのあたりのことが詳細に語られたりするのかなと期待しています。
*1:ルビーに真実を告げたカラスとともにいる少女