最近何かと「仮想通貨」が話題になりますね。
通常の法定通貨が政府やそれに準ずる機関の信用の元(金本位制の時代は金の裏づけの元)価値が保証されているのに対し、仮想通貨は通貨そのものへの信用が価値を保証します。
仮想通貨は投資対象として扱われることが多く、ここ数ヶ月価格が高騰しています。
先日、僕が資産運用に興味があることを知っている友人ブロガー(隊長)から「仮想通貨買わないの?」と聞かれました。仮想通貨に興味がないといえば嘘になりますが、「買わないよー」と答えました。
僕が仮想通貨に投資しない理由を3つ挙げます。
過熱しているものには投資しない
前述したように、ここ最近仮想通貨は鬼のように値上がりしています。
今の価格が天井なのか、それとも今後ますます値上がりする過程の1段階に過ぎないのか、それはわかりません。しかし、さすがに短期間で値上がりしすぎで、過熱している感は否めません。
普段投資や資産運用の話をあまりしない人まで「仮想通貨って儲かるの?」と話しているのをリアルでもネットでもちょいちょい耳にします。
この状況で仮想通貨を購入する勇気は僕にはありません。
わからないものには投資しない
先日日本でも仮想通貨に関する法律が施行されたように、政府はいまのところ仮想通貨に対し融和的な姿勢を取っています。
仮想通貨法の成立がビットコインに与える影響を考える | IT企業研究所
しかし、将来にわたって各国政府が仮想通貨をどのように扱うかは正直不透明であると思っています。そもそも通貨発行権は国の力や威信そのものであるので、なんとかして国の管理下で運用させようとするでしょう。19世紀にヨーロッパの先進国がアジア諸国を植民地支配した際も、現地通貨の整備に力を注いでいました。フランス領インドシナのピアストル銀貨などが良い例ですね。
仮想通貨が今後どのような立場におかれるかがわからない以上、仮想通貨に投資するのは時期尚早であると考えています。「わからないものには投資しない」が資産運用の大原則です。・・・てなことを言ってるうちに絶好の投資機会を逸してしまうかもしれませんが、そのときはそのとき。世の中には他にも投資対象たくさんありますし。
通貨には投資しない
僕が仮想通貨に投資しない一番の理由はこれです。僕は株や債券などには投資していますが、いわゆるFXなどで通貨そのものを投資対象にすることはしていません。例外的に純金積立を少額で行っていますが、これは資産の一部を保険的にゴールドに換金しておくという意味合いでやってます。余談ですが、FXや仮想通貨も「投資」ではなく「通貨分散」ということならアリかもしれません。
株や債券は企業に資金を回すことにより、企業の生産活動を支えます。日本に住んでるとなかなか実感しづらいですが、世界規模で考えると人口は増え続けており、新たな富裕層も続々と誕生しています。それが企業収益の源泉となっているため、株や債券は適切に分散すれば長期的にプラスサムの資産であると言えます。
それに比べ、通貨のトレードはそれ自体は経済成長に直接寄与するものではなく(道具として間接的に役に立ちますが)、需要と供給のみで価格が決まります。それゆえ、通貨への投資はゼロサムになります。
「仮想通貨の流通によって恩恵を受ける企業に投資」というのならともかく、仮想通貨そのものにはよほど気が変わらない限り投資することはありません。
まとめ
これだけ世間で騒がれているとついつい流行りに乗って買ってしまいたくなりますが、いままでの経験から流行りものに浮き足立って資金を注いでも大抵失敗してきました。今回は誘惑に乗らないように気を引き締めたいところです。