投資未経験の人が初めて投資をする場合、投資信託はとても便利なツールです。ただ、国内の証券会社で買える投資信託は4000本以上あるため、どれを選べばいいのか難しいですね。
今回は、投資初心者の方が投資信託を選ぶ際に注意すべきことを書いてみます。
パッシブファンドとアクティブファンド
国内だけでも4000本以上が設定されている投資信託ですが、大きく2つのタイプに分けることができます。パッシブファンドとアクティブファンドです。
パッシブファンド(インデックスファンドとも言います)とは、日経225、TOPIX、ニューヨークダウなどの株価指数に連動するように設計された投資信託です。運用に手間がほとんどかからないため、一般的に信託報酬などの手数料が安いことが特徴です。信託報酬は概ね0.2%~1%程度で、購入時手数料無料のファンドも多数あります。
また、株価指数に連動するという設計上、株式市場の平均点を取ることができます。名だたる投資家達が必死に研究したり駆け引きしたりして売買した結果が「株価指数」となるわけですから、これは当然と言えます。逆に言うと、平均点を大きく超えて儲けることはできません。
パッシブファンドを使った資産運用については下記記事で詳細に書いています。
次にアクティブファンドですが、こちらは資産運用の専門家が経済状況や市場環境、個々の企業の業績などを研究し、積極的な運用を行う投資信託です。優秀なファンドを選ぶことが出来れば市場平均を超える運用成績を収めることができますが、逆にハズレファンドにあたった場合は平均以下の運用成績となってしまいます。
パッシブファンドに比べて運用に手間がかかりますので、手数料が高くなりがちです。信託報酬は概ね1%~3%程度かかり、購入時手数料無料のファンドは少なめ。
優秀なファンドを見分けて平均以上の成果を上げたいのであればアクティブファンド、平均点で充分だという場合はパッシブファンドを選びましょう。
パッシブファンドを選ぶ際の注意点
パッシブファンドを選ぶ際はあまり注意することはありません。というのも、同じ株価指数に連動するファンドであれば、どのファンドを選んでも運用成績にはほとんど差がないからです。
強いて言えば、下記2点を留意しましょう。
- 手数料がなるべく安いファンドを選びましょう。運用成績に差が出ないパッシブファンドでは、手数料の差が勝敗を分けます。
- 純資産の大きなファンドを選びましょう。純資産の小さすぎるファンドだと、途中償還(運用期限前に投資信託が終了すること)されてしまう場合があります。
アクティブファンドを選ぶ際の注意点
アクティブファンドを選ぶ際に大事なことは、「そのファンドの運用方法に納得がいくか(信頼できるか)」という点につきます。
外国の株式・債券を中心に運用しているGARSファンドという投資信託を例にして考えてみます。
投資信託のモーニングスター|スナップショット[GARSファンド]
ファンドの特色
ファンドオブファンズ方式で運用。主として世界の株式、債券、為替、デリバティブ等の多様な資産に対して、様々な投資手法を活用した投資を行うことで、リスクの低減を図りつつ、日本円短期金利(円LIBOR6カ月物)を上回る投資成果を目指す絶対収益追求型ファンド。組入外貨建資産について対円為替ヘッジを行うことがある。10月決算。
「理解の出来ないものには投資しない」というのが資産運用の鉄則ですので、ファンドの運用方法が理解できるかどうかが重要です。
ファンドオブファンズ?
デリバティブ?
円LIBOR6カ月物?
絶対収益追求型?
対円為替ヘッジ?
わからない言葉があれば調べてみます。調べる前から「なんかピンとこないからやめとこう」と思うのならば、その直感に従ったほうがいいかもしれません。
運用方法を理解したうえで、「よし、じゃあこのファンドに資産を託してみよう」と思えるファンドを選びましょう。