夫婦間のケンカや不仲の原因と言うと、
「家事・育児分担や考え方の違い」
「互いの生活習慣の違いからくるストレス」
などがポピュラーかもしれませんが、 他にも切実な原因の1つに「セックスレス」が挙げらるかと思います。
なかなか他人に話せるテーマでも無いので表には出てきにくい問題ですが、日本の夫婦の半分近くがセックスレス状態(1か月以上セックスをしていない)というデータもあるようです。
下記リンク先の記事によると日本は世界の中でもセックスレスの割合の高い国とのことです。
セックスレスの割合をパターン別に紹介。その原因と対処法-ミラープレス
今回の記事では、セックスレス状態にある男女の悩みや葛藤を生々しく描いた漫画「あなたがしてくれなくても」を紹介します。・・・もうタイトルからしてドロドロの予感しかしないですね(笑)
夫婦仲は悪くないのに
結婚5年目の夫婦、みち(妻)と陽一(夫)は決して仲が悪いわけではなく、一緒にテレビでお笑いを見たりと、家族としては普通に仲が良いです。あくまで「家族」としては。「夫婦」としては2年間ご無沙汰です。
みちは、出産を機に退職をする同僚女性を見て思わず、
「いいなぁ・・・セックスしたんだ」
と心中でつぶやき、2年間行為の無い自分たちの夫婦生活に危機感を抱きます。
果たしてみちが再び夫と交われる日は来るんでしょうか?
長年付き合った相手は「飲み飽きたアイスコーヒー」?
途中までは、
「みちが真剣に求めてるのに、陽一はのらりくらりと交わしたり約束を破ったり・・・もうみちに対する愛情は無いのか!?」
などと憤りながら読んでいましたが、どうも陽一には陽一なりにみちに対する愛情がちゃんとある模様。
セックスレス関連でケンカした時にも、翌日にスイーツを買ってきたり「今度の水曜日は早く帰れるから、しよう」と約束したり(結局この約束は反故にされますが)、陽一なりに誠意を見せたりもします。
作者や担当編集者には
「セックスを拒否する側を悪く描きたいわけじゃないので、作中で一方的な悪者を作りたくない」
という思いがあるようです。
陽一には積極的にセックスを拒否する理由があるというより、どちらかと言えば消極的拒否。作中で陽一は喫茶店で特に飲みたくもないアイスコーヒーを注文しながら、
もう味も臭いも全部わかってる。それに加え、喉も渇いてないのに飲めって言われてるみたいなんだよなぁ・・・
アイスコーヒーみたいなんだよ、腹いっぱいなんだよ、って言ったら・・・言えたら・・・
(6話より引用)
と表現しています。単純に言うと要するに「飽きた」ということなんでしょう。
「夫婦なのにそんなことで拒否するの?相手を傷つけてまで?」
とも思いましたが、やりたくもないのにやらなくてはいけない、というストレスやプレッシャーも確かに簡単に乗り越えられるものではないかもしれません。
同じ傷を抱える男女が傷を舐め合う展開に
夫に受け入れてもらえない寂しさ、悲しさ。
情緒不安定になったみちは、同じくセックスレス問題を抱える職場の既婚イケメン先輩(こっちは妻側から拒否られ)に心が傾いていきます。
セックスレス&不倫の両輪によってドロドロ度を増しつつ、夫・陽一の一夜の過ちなどのスパイスを加えながら話は展開していき、物語の終着点が全く見えません。
三度の飯よりドロドロ展開の好きな人は、是非手に取ってみてください。
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