お笑いコンビ・サンドウィッチマンがM-1グランプリで優勝した翌年に出版した「敗者復活」を読みました。
サンドウィッチマンの少年時代~M-1優勝までの軌跡を別視点から読める面白さ
本の概要としては、伊達さんと富澤さんそれぞれの少年時代、2人の出会った高校時代、お笑い芸人を目指して上京~M-1王者になるまでを時系列で、2人の視点で交互に書かれています。
この「2人の視点で」というところが面白く、伊達さんと富澤さんで見事に考えていることがシンクロしているときもあれば、まったく噛み合ってないときもあったりします。
高校時代の出会いの話、お笑いコンビを組む前の葛藤、無名芸人時代の悩みと焦燥の時期など、伊達さんと富澤さんが何を考え、どう行動したのか。サンドウィッチマンのファンとしては非常に興味深い内容でした。
M-1グランプリ最終決戦でネタが飛んだ瞬間
M-1グランプリ決勝に残った9組の中から、さらに勝ち上がった3組が戦う最終決戦の場。サンドウィッチマンのネタは十八番の「ピザのデリバリー」。
その最終決戦のさなか、なんと、本番中に伊達さんがネタが頭から飛んでしまった瞬間があったそうです。で、伊達さんの表情からそれに気づいた富澤さんまでパニックのあまりネタが飛んでしまったとか。
「M-1最終決戦の場で一瞬ネタが頭から飛んだ」というエピソードはどこかで聞いたことあったのですが、具体的に「ピザのデリバリー」ネタのどの部分かは知りませんでした。本書を読んで初めて知りました。
出前配達人(富澤さん)の失礼な態度に切れた客(伊達さん)とのやりとり。
伊達さん「お前腹立つんだよ!・・・むかつくな?」
伊達さん「ふざけてんだろ!?」←ここが一瞬飛んだらしいです
富澤さん「(考えるそぶり)いえ、ふざけてないです」
伊達さん「なんでちょっと考えたんだよ!」
サンドウィッチマンが優勝した2007年M-1のDVDを僕はもう何十回も観ているのですが、全然これ気づきませんでした。いま改めて見返してみても、わかりません。富澤さん曰く、ほんのコンマ1秒ほどの出来事だったらしいです。その瞬間に富澤さんは芸人としての死を覚悟したとか。
「ピザのデリバリー」ネタはサンドウィッチマンの鉄板ネタであり、おそらく何百回とやってきたはず。にもかかわらず、ネタが飛んでしまうとは、これがM-1最終決戦の魔力というものでしょうか。
小島さんの気持ちにほんの少し近づけた気がした
僕がサンドウィッチマンを初めて知ったのは、サンドウィッチマンが優勝した2007年M-1グランプリのときです。それ以前もサンドウィッチマンはエンタの神様などに出演していましたが、僕は知りませんでした。サンドウィッチマンのファンとしてはニワカもいいところです。
サンドウィッチマンがM-1でブレイクするまでの9年間、どんな思いでお笑いに取り組んできたのか、どのような覚悟をもってM-1グランプリに望んだのか、そしてM-1優勝の瞬間・・・読んでいて鳥肌が立つほどに感動しました。月並みな感想ですが、苦労して必死な思いでやってきた人たちが報われる物語というのは本当に良いものです。
サンドウィッチマンの熱烈なファンに「小島さん」という方がいます。サンドウィッチマンのライブDVDを観ている人なら御馴染みですが、サンドウィッチマンが上京してからずっと追っかけをしている人です。ずっとサンドウィッチマンのお笑いに触れてきた小島さんであれば、サンドウィッチマンM-1優勝の瞬間をまさに万感の思いで見つめていたことでしょう。
僕はサンドウィッチマンのニワカファンですが、本書を読んでサンドウィッチマンの軌跡を知ることができ、ほんの少し小島さんの気持ちに近づけたかもしれません。
いつまでもお笑いの最前線で活躍してて欲しい
サンドウィッチマンの当面の目標は50歳で単独ライブを開催することだとか。常に挑戦し続けるサンドウィッチマンの活躍を今後も楽しみにみていきたいです。
【追記】文庫本サイズで復刊!
今回紹介した「敗者復活」は長らく絶版となっていましたが、2018年8月に文庫本サイズで復刊しました!
「紙版」&「電子書籍版」両方出ていますので、未読の方はこの機会に是非読んでみてください!
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