最近何かと話題な「クズの本懐」を読んでみました。ネタバレ含みつつ感想を書きます。
屈折した恋愛模様
エロカワツンデレ変態女子高生「昴」が活躍する漫画「君は淫らな僕の女王」の作画担当・横槍メンゴ氏の作品です。
「君は淫らな僕の女王」はヒロインが過度なツンデレの上に変態と言う難儀なキャラではありましたが、描かれる恋愛模様そのものはどちらかといえば直球タイプ。
対する「クズの本懐」で描かれる恋愛は一筋縄ではいかない屈折具合です。
第1話「望み叶え給え」より
一見、誰もが羨む美男美女のカップル。しかし両人の内心にはややこしい感情が渦巻いています。
主人公・麦とヒロイン・花火は付き合っているものの、本当に好きな相手はそれぞれ別にいます。しかもその本当に好きな相手同士は両想いの関係。
報われない想いを抱えた者同士、麦と花火はある種のシンパシーを感じ合い、お互いがお互いを「本当に好きな相手の代替」として求めるようになります。
第3話「青春生き残りゲーム」より
好きになった相手には既に想い人がいた。ここまでは良くある話。
そして同じような境遇の異性に出会い、意識する。これも良くある話。
しかし、その異性を自分の本命相手の代替として求め、イチャイチャしているときはお互いの脳内では相手のことを「本当に好きな人」に脳内変換しあっている・・・となると、これはあまり良くある話とも言えない鬱屈して屈折した関係。この恋愛関係(?)がどのような終着点を迎えるのか、非常に気になります。
それほど「クズ」とは言えないけど・・・
麦と花火は自身を「クズ」であると自認し、この泥沼とも言える関係を継続しています。
冷静に考えてみると、この特殊な交際関係が誰に迷惑をかけているわけでもなし、本人達の自由意志の範囲の出来事として充分片付けられるものなので「クズ」と言えるほどのものでもありません。
「クズ」というカテゴリーに自分を押し込めることで、行き場がない「罪悪感」に無理やりフタをしているのでしょうか?自分の弱い心を守るためのある種の防衛本能と呼べるのかもしれません。人間の恋愛感情と言うものは実に度し難いものです。
クズの本懐 7.5 公式ファンブック Ambivalent (ビッグガンガンコミックス)
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