コミックエッセイ界の大御所・たかぎなおこさんの「親孝行できるかな?」を読みました。
共感づくし
コミックエッセイの面白さの妙は「あー、あるある、こういうこと!」と感じる共感ポイントにあると思ってるんですが、たかぎなおこさんのエッセイはどの本も僕の共感のツボを押しまくりです。
親の喜ぶ物(あるいは、喜ぶコト)がわからない・・・ってところとか、ホントその通りで、誕生日とか何かしらの記念日のときに何か贈ろうと思っても「結局何を贈るのが正解なのかわからない・・・」ってなっちゃいます。
僕はそんなとき「まあいいやろ、子どもから何かもらえれば嬉しいに決まってる。というか、子どもの笑顔が一番の贈り物のはず!」と手前勝手な理屈で自己完結して終わるのですが、たかぎさんはちゃんと親の何気ない行動や表情から好みをリサーチするところが偉い・・・親孝行な娘さんや。
「糖尿病にレタスが良い」という単一の情報に基づいて、そればかりになる・・・ってとこも団塊世代の人たちのあるあるな気がします。うちの母親も昔「ネギは身体に良い」ってテレビで言ってたのを聞いて、いきなりその日の夕飯にネギの丸焼きが出てきました。極端すぎるw
親御さんの娘を想う奮闘振りにほっこり
20年前に単身上京するたかぎなおこさんのことが心配でたまらなかったご両親(特に父親のほう?)。コミックエッセイ「浮き草デイズ」にも描かれていましたが、何かにつけて上京して様子を見に来る親心に思わずほろっとしたものです。
そんなご両親ですから、たかぎさんがコミックエッセイ「150cmライフ」でデビューしたときはさぞかし喜んでいたに違いないと思い、そのあたりのエピソードがずっと気になっていました。
本作でそこに触れられていますが、まさか娘のコミックエッセイ営業のために名古屋の書店行脚をしていたとは思いませんでしたw たかぎなおこさんにとっては気恥ずかしいやら嬉しいやらくすぐったい気持ちだったでしょうね。この本のテーマは「親孝行」ですし、もちろんたかぎなおこさんの親を想う気持ちは充分伝わってきましたが、それ以上にご両親の深い愛情を感じられてほっこりしました。いつの時代も子を想う親の気持ちと言うものは何よりも強いものですね。