漫画「スラムダンク」で描かれた試合の中でも、個人的に屈指の好カードだと思っているのが「陵南 × 海南」の試合です。主人公チームが登場しないにも関わらずここまで熱い試合が描けるとは、改めて井上雄彦先生の力量に脱帽です。
ただこの試合、1つだけ納得のいかないところがあります。「途中で福田を下げる必要はなかったんじゃないか」という点です。
海南戦の敗因
海南戦の最大の敗因は何かと言えば、やはり魚住が途中退場したことでしょう。高さに劣る海南にとって2メートル選手の魚住の存在は非常に厄介で、魚住は攻守に渡って大きな役割を果たしていました。
何故、魚住が退場することになったかといえば、以下の経緯を辿ったからです(審判とケンカしたのは省略)。
- 海南の神の3ポイントが決まるようになり、陵南が苦しくなる
- 神を止めるために、ディフェンスに定評のある池上を投入
- 池上と入れ替わりで福田はベンチに下がる
- 福田がいなくなったことで陵南の得点源は魚住のみとなる(仙道はポイントガードなので)
- 高砂が魚住のファールを誘い、魚住退場
おかしいなと思うのは「池上と入れ替わりで福田はベンチに下がる」ところです。池上投入はわかるとして、何故代わりに下がるのが福田だったんでしょうか?
福田ではなく、植草か越野を下げれば良かった
ここで思い出して欲しいのは、海南戦での陵南のスターティングメンバーです。
- 魚住(センター)
- 福田(フォワード)
- 越野(ガード)
- 植草(ガード)
- 仙道(ガード)
牧を封じるために仙道をポイントガードに回したので、ガードが3人というやや歪な構成となっています。それでも問題にならなかったのは、福田の期待以上の働きによるところが大きかったと言えるでしょう。
神を封じるために池上を投入するなら、池上のポジションは元々フォワードなので、
- 魚住(センター)
- 福田(フォワード)
- 池上(フォワード)
- 越野 or 植草(ガード)
- 仙道(ガード)
とすれば良かったんじゃ無いでしょうか?下げるのは福田ではなく、越野か植草で。実際湘北戦で三井の3ポイントを封じる際には、越野に代えて池上を投入していました(このときは逆にガードが植草1人というアンバランスな構成になってしまったため、宮城にスティールを許してしまいました)。
福田がコート上に健在ならば魚住のみが狙われて退場に追い込まれる可能性は減ったでしょうし、魚住が退場しなければ仙道の負担が増えることもなかったでしょう。
そうなれば、海南に勝てる可能性もあったと十分にあったと思うんですが・・・田岡監督の采配は不可解と言わざるを得ません。