「電子系の学科に通っているけど、電子回路が苦手だ・・・」
って人、意外と多いんじゃないでしょうか?
かくいう僕も地方大学の電子工学科を卒業しましたが、電子回路系の単位は赤点ギリギリでした・・・
電子系の学科と言っても実際は大学によって内容は異なり、情報処理や計算機工学の勉強に力を入れているところも多いですよね。「電子情報学科」なんて呼び名にしているところもありますし。
そうなると、
「電子回路は苦手だけど、情報処理系はそこそこわかるから、大学出たらSE(システムエンジニア)になろう」
って考える人もいるかと思います。
この考え自体はアリだとは思いますが、だからといって電子回路の勉強はサボり過ぎないほうが賢明です。本記事では、その理由を説明します。
「電子系学科出身」という肩書きはずっとついて回る
仮に、電子回路が苦手なまま電子系学科を卒業してSEとして就職した、とします。
「もう俺はシステムエンジニアなんだから、電子回路のことなんて関係ないよ!プログラミングさえできればいいんでしょ?」
と思いたいところですが、なかなかそうは行きません。「電子系学科出身」という肩書はずっとついて回るものです。
特に特定派遣を中心としている会社の場合は、「技術経歴書」を常に更新してクライアントに提示して営業をかけますが、そこにもはっきりと「〇〇大学工学部電子工学科卒」と書かれています。クライアント側からは「ほう、この人は電子回路の知識があるんだな」と見做されます。
組み込み系開発の現場は電子系の知識を持ったSEを切望している
実際の実力はともかく、表向き「電子回路の知識がある」と思われると、その後のコースはほぼ一直線です。十中八九、組み込み系開発の現場*1に放り込まれることと思います。
何せ組み込み系エンジニアは慢性的な人手不足ですので、少しでも電子回路の知識があると思われる人を放っておくとは思えません。
組み込み系エンジニアといっても一応はソフトウェア・エンジニアなので、電子回路の設計を任されたりすることはありません。それはハードウェア・エンジニアの仕事です。
ただし業務を進めるにあたって、電子回路図を読み取ったり、オシロスコープを制御して信号を確認したりと、ハードウェア寄りの知識・スキルを求められることが多々あります。
「電子系学科を出てるけど、電子回路苦手だったんでよくわかりません・・・」
などと言えるわけもなく、泣く泣く大学時代の教科書を引っ張り出したり新たに専門書を買ったりして、なんとか騙し騙しやっていくしかありません。仕事ですからね・・・
そうならないためにも、「電子回路は嫌いだから赤点さえ取らなければいいや」と考えずに、最低限の知識・スキルを学生時代にちゃんと身に着けておくことをおすすめします。
*1:家電製品や機械に組み込むソフトウェアウェアを開発する現場のこと