日本の古銭商で大手といえば、「銀座コイン」を真っ先に思い浮かべる人が多いんじゃないでしょうか?
創業50年以上の老舗。会長の竹内俊夫氏は人気テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」の鑑定士としてもお馴染みで、古銭関連の本も出版されています。
そんな銀座コインでちょっと前から気になってたことがあります。それは、
銀座コインのグレード評価はかなり厳しめなんじゃないか?
という件です。
グレード評価の厳しさではPCGSに定評あり
グレーディングを行ってくれる第三者鑑定機関はPCGS、NGC、ACCAなど何社も存在しますが、「グレード評価が厳しい」という点では、第三者鑑定機関のPCGSが昔から定評があります。
「PCGSに鑑定してもらってMS63評価だったコインをNGCに出し直してみたらMS64の評価がついた」(※数値が高いほうが高評価)
なんて話もよく聞きます。
もっとも、ワールドコインズ・ジャパンのサイトには下記のような情報もあり、必ずしもPCGSが厳しいとは限らないようです。
Q:グレーディングの代行をお願いしたいのですが「NGC,PCGS」のどちらの会社のグレーディングが『正確ですか?また鑑定が厳しいのはどちらですか?』
A:数年前までは「PCGSの方が鑑定が厳しい」と言う意見も有りましたが、現在ではその「優劣は認められない」と当社では判断しています。
ただ、上記で比較に出しているNGCもPCGSと双璧を成す鑑定機関であり、評価の厳しさ(安易に高評価を出さない)は世界中のコイン・コレクターから信頼を得ています。
PCGSの評価の厳しさは過去の実績を考えても折り紙付きといって良いでしょう。
グレード評価の見方
順番が前後しますが、上で述べた「MS63」とか「MS64」とはどういう評価なのか、比較表を書いてみました。
PCGSグレード数値 | 状態表記(英語) | 状態表記(日本語) |
---|---|---|
MS70 | FDC | 完全未使用 |
MS69 | FDC | 完全未使用 |
MS68 | FDC | 完全未使用 |
MS67 | FDC | 完全未使用 |
MS66 | FDC- | 完全未使用 |
MS65 | FDC- | 完全未使用 |
MS64 | UNC+ | 未使用 |
MS63 | UNC | 未使用 |
MS62 | UNC- | 未使用 |
MS61 | AU+ | 準未使用 |
MS60 | AU | 準未使用 |
AU58 | EF+ | 極美 |
AU55 | EF | 極美 |
AU50 | EF- | 極美 |
(※AU50未満は省略)
この表を頭に入れた上で、次の章を読んでみてください。
銀座コインとPCGSのグレード評価を比較
銀座コインとPCGSのグレード評価を比較するために、「第32回 銀座コインオークション」で出品されているコインの中から、
- PCGS鑑定品
- AU50以上
- プルーフ貨幣は除く
- Details評価は除く
- Lot番号1000~1100
という条件で絞り込んで(※全て抽出すると数が膨大なので)、銀座コインの状態評価とPCGSの状態評価を比較する表を作ってみました。
下記表中、銀座コインのほうが評価が厳しいLotは青、PCGSのほうが評価が厳しいLotは赤、両者ほぼ同じ評価のLotは黒としています。
Lot番号 | 銀座コイン評価 | PCGS評価 |
---|---|---|
1005 | UNC | MS65 |
1014 | UNC | MS64 |
1021 | EF- | MS61 |
1047 | EF | AU58 |
1050 | VF/EF | AU55 |
1059 | AU/UNC | MS62 |
1060 | AU/UNC | MS63 |
1072 | AU/UNC | MS62 |
1078 | UNC | MS65 |
1079 | UNC | MS66 |
1080 | UNC | MS63+ |
1081 | UNC | MS66 |
1082 | UNC | MS64 |
1083 | UNC | MS66 |
1096 | AU | AU58 |
1097 | UNC | MS63 |
「厳しい評価をつけたほうが勝ち」
と定義すると、
銀座コインの6勝0敗10引き分け
です。
まとめ
銀座コインは明らかにPCGSに比べて厳しめの評価をしていることがわかりましたが、何故こんな厳しくしているのかがよくわかりません。
古銭商側から見ると、むしろ逆に甘い評価をつけたほうがコインを高く売りやすくてお得なはず。まあ天下の銀座コインがそんなセコイことするわけないんですが、だからといってPCGSより厳しい評価をつけなくてもいいんじゃない?と思うんですけどね...
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