「敵にやられない秘訣は、世の中を甘く見ること」
小説「銀河英雄伝説」に登場するエースパイロット・ポプランのセリフです。初陣に緊張する新米パイロットに投げかけた言葉ですが、この言葉は「過労死」などという現象がまかり通る現代日本にこそ必要な考え方ではないでしょうか?
真面目に考えすぎるよりも、世の中を甘く見てるくらいが丁度いい
働きすぎによる過労死(自死含む)や鬱病発症などの痛ましい事件が相次ぐ現代日本。最近ようやく政府や企業も働きすぎ対策に身を乗り出しつつありますが、どこまで本気で取り込んでくれるかはまだ未知数です。
仕事のしすぎで身体を壊したり鬱病になったりする人たちの大半は、真面目すぎるのではないかと思うんです。もちろん自分の仕事に責任感ややりがいを持つのは素晴らしいことです。しかし、なんといっても命あってのモノダネ。仕事のために生命が脅かされることがあってはなりません。
真面目すぎる人間が多い日本社会では、良い意味での「不真面目さ」が求められているのではないでしょうか?世の中を少し甘く見てるくらいが丁度良いのかもしれません。
「なんとかなる」の精神
僕は決して仕事のできるほうではありません。能力もやる気も水準以下です。それでも騙し騙しのらりくらりと十数年間IT業界の片隅でなんとか生息することができています。
数年前には月間残業時間200時間なんて時期もありました。プロジェクトは炎上し、会社は大赤字になり、責任の重さに耐えかねて鬱病になった人もいました。僕は「この仕事取ってきたの俺じゃないし、俺の責任じゃないよ。いざとなればとっとと会社辞めてやる」などと考えながら適当に乗り切っていました。
福祉大国とまではいきませんが、なんだかんだいって先進大国の日本ではセーフティネットもそれなりにあり、そう簡単に餓死するようなこともありません。会社や仕事に潰されるくらいなら、とっとと逃げてしまうのも大事です。
伝説的な声優・林原めぐみさんの著書「なんとかなるなる」の精神こそが必要なのです。
もちろん世の中に絶対の保証なんてものはないので、「なんとかならない」可能性だってあります。それでも、その場で労働と責任に押しつぶされるくらいなら、とりあえず逃げてみたほうが勝算高いんじゃないでしょうか?
ドラクエでHP残りわずかで強敵に遭遇したら、一か八か「逃げる」を選択する人も多いかと思いますが、この考え方は現実世界でも充分成り立ちます。
潰されるくらいならとっとと逃げましょう。世の中は意外と甘いもんです。