意識低い系ドットコム

漫画の感想、IT業界のよもやま話、古銭収集など、雑多な話題を意識低くお届けします

買い物のお釣りに混ざっている記念硬貨や古銭は価値があるのか?

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

 

「いつものようにコンビニで買い物したら、お釣りに変な硬貨が混ざってた。何これ?」

という経験をしたことある人って結構多いかと思います。

 

僕もコインコレクターなんぞを20年以上やってて、それを周りにカミングアウトしていると、

「なんか変わったコイン手に入れたんだけど、これって価値あるの?」

と聞かれることがたまにあります。

 

 今回は、

「お釣りで偶然手に入った記念硬貨や古銭は価値があるのか?」

について書きます。 

 

 

金貨・古銭・記念コイン買取 福ちゃん

 

買い物で手に入る記念硬貨や古銭は99%、額面通りの価値のみ

身も蓋もなく最初から結論を書きますが、

「価値はほぼありません」

 

ほとんどが額面通りの価値ですので、そのまま普通に使ってしまっても問題ありません。個人的には、せっかく手に入った珍しいお金なら大事にとっておいて欲しいなと、一介のコインコレクターとしては思わなくも無いですが・・・

 

何故価値が無いのか? 説明します。

 

 

お釣りで手に入る古銭は年代が浅い

まず古銭のほうですが、現在法定通貨として使用できる硬貨は昭和23年以降のものです。

現在発行されていない昔のお金で、現在も使えるものはありますか : 財務省

【貨幣(硬貨)】

5円黄銅貨(国会議事堂・穴無:昭和23年発行)
5円黄銅貨(稲穂等・楷書体:昭和24年発行)
10円青銅貨(平等院鳳凰堂・ギザあり:昭和26年発行)
50円ニッケル貨(菊・穴無:昭和30年発行)
50円ニッケル貨(菊:昭和34年発行)
100円銀貨(鳳凰:昭和32年発行)
100円銀貨(稲穂:昭和34年発行)
500円白銅貨(桐:昭和57年発行)

 

つまり、お釣りとして入手できる可能性のある古銭(現在発行されていない硬貨)は、必然的に上記のいずれかの硬貨に限られます。昭和23年というと今からおよそ70年前ですので十分古い気もしますが、古銭の世界ではこれは比較的新しいコインと言えます。

 

f:id:ken530000:20181008152622j:plain

 

例えば上の写真は僕のコレクションの「昭和41年銘100円銀貨(稲穂)」ですが、50年以上前のコイン&未使用の綺麗な状態であるにもかかわらず、コイン商の売値は500円程度です。

 

コイン商の販売手数料や利益を上乗せした上での500円ですので、こちらからコイン商に持っていってもほとんど額面で買い取られると思われます(もしくは、買い取ってもらえない可能性も)。

 

 

「古さによるプレミアム価値」はほとんど無いと言えます。

 

 

記念硬貨のプレミアム価値はほとんど無い

では記念硬貨のほうはどうかというと、こちらもプレミアム価値はほとんど期待できません。

その理由は、「発行枚数の多さ」です。

 

f:id:ken530000:20181008152941j:plain

 

上の写真は、同じく僕の手持ちの「内閣制度創始100周年記念500円白銅貨」です。発行枚数は7000万枚です。コイン商の販売価格は未使用状態のものでも1000円程度です。

 

希少価値によるプレミアムを期待するなら、発行枚数は多くても10万枚くらいまでです。

 

単純な話、この記念硬貨が希少価値を発揮するためには、この硬貨を欲しがる人が7000万人以上いないとダメということです。何かのはずみで手に入ったなら大事にとっておく、という人もいるでしょうが、高いプレミアム価値を払ってまで欲しがる人がそんなにいるとも思えません。

 

このように、日本の記念硬貨は発行枚数が非常に多いため、「希少価値はほとんど無い」と言えます。

 

 

そもそもお釣りで手に入る硬貨は状態が良くないことがほとんど

そもそも論として、お釣りで手に入るということは一度流通市場に乗っているということで、その過程で硬貨には傷がつきます。コインの価値はレア度以外にも状態が大事ですので、これはいただけません。

 

「そんなことはない!見た目とても綺麗なコインだ!」

 

と思われるかもしれませんが、一度機会があればルーペなどでじっくり見てみてください。無数の細かい傷や磨耗が見受けられると思います。

 

この時点で状態としては良くて「準未使用」以下ですので、価値の上がりにくいコインとなります。

 

 

価値のあるコインも稀に混ざってる

とはいえ、お釣りで手に入る硬貨のすべてがプレミアム無しかといえばそうでもなく、時としてお宝が混ざっていることもあります。

 

それが、「特年」と呼ばれる硬貨です。

 

特年とは、硬貨の発行枚数が非常に少なかった年のことで、有名どころだと昭和33年発行の10円銅貨(ギザ十)が挙げられます。

 

ギザ有りの10円銅貨は他の年の発行枚数が1億枚~5億枚ほどであるのに対し、昭和33年はわずか2500万枚です。

 

未使用品であれば5000円~1万円ほどでコイン商に引き取ってもらえるかと思います。

 

他にも発行枚数の少ない特年コインとしては、

  • 昭和62年の500円白銅貨
  • 昭和35年の菊50円ニッケル貨(大型50円玉)
  • 昭和27年の楷書体5円黄銅貨(通称:筆5)

などがあります。

 

特年コインについては、下記記事でもまとめてます。

 

 

日本貨幣商組合が毎年出している「日本貨幣カタログ」に各硬貨の発行枚数やおおよその価格が書いてありますので、この本片手にお宝コインを探すのも面白そうです。

 

 

また、お釣りに入っている可能性はほぼ皆無ですが、最初からプレミアム価値が上乗せして造幣局から販売される「プレミアム記念硬貨」であれば、発行枚数も5万枚~10万枚程度と少なく、価値が期待できます。

 

下の写真は天皇陛下御即位20周年記念1万円金貨です。発行枚数は10万枚です。

f:id:ken530000:20181008155649j:plain

 

他に、プレミアム記念硬貨には、

  • 長野オリンピック冬季競技大会記念1万円金貨(発行枚数:1次~3次まで含めて16万5000枚)
  • 日本国際博覧会記念 1万円金貨(発行枚数:7万枚)
  • 国際連合加盟50周年記念1000円銀貨(発行枚数:7万枚)
  • ユニバーサル技能五輪国際大会記念1000円銀貨(発行枚数:8万枚)
  • 地方自治法施行60周年記念1000円銀貨(各都道府県毎に10万枚)

等々、今までに金貨や銀貨が複数種類発行されています。

 

運よく価値のある古銭や記念硬貨を手に入れることができたら、古銭商や買取専門業者に一度査定してもらうと良いかもしれません。

 

下記記事で、コインのタイプ別のおすすめ査定・買取業者について書いていますので、参考までに。