2020年東京五輪記念五百円貨幣の表面図案が「風神雷神図」に決まりました。オリンピック記念硬貨が「雷神」、パラリンピック記念硬貨が「風神」です。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会 記念五百円貨幣の図柄(表面おもてめん)について : 財務省
今回の記事ではコイン収集歴30年の筆者が、「風神雷神」コインが将来的に価値が上がることがあるのか、考察してみます。
1964年東京五輪記念硬貨との比較
2020年(令和2年)に開催される東京五輪は1964年(昭和39年)以来56年ぶりの開催となります。
では、1964年に発行された記念硬貨の現在の価値はどうなっているのでしょうか?「日本貨幣カタログ(2019年版)」より参考価格を引用します。(美品クラスの価格を引用)
- 1964年東京五輪記念1000円銀貨:市場価格3000円
- 1964年東京五輪記念100円銀貨:市場価格500円
いずれも額面価格の数倍に値上がりしています。1000円銀貨の発行枚数が1500万枚、100円銀貨の発行枚数が8000万枚とかなりの数が出回ったにも関わらず未だに根強い人気があります。
ただし、上記コインに関して言うと、
- 材質が銀なので、貴金属プレミアムがある
- 日本初の記念硬貨なので日本中がコインブームに沸いた
という点を考慮に入れる必要があります。
今回の2020年東京五輪記念500円硬貨は、近年の記念硬貨発行状況から考えると、おそらく発行枚数は200万枚~1000万枚程度になると予想しています。
1964年の記念硬貨よりも発行枚数自体が少ないのでその点は有利そうですが、貴金属材質ではないこと、500円硬貨以外にも複数種類の記念硬貨が発行される*1ことによる人気分散を考えると、あまりプレミアム価値はつかないと考えられます。
おそらく、コイン商などで額面+αの1000円~1500円ほどで売られるのが相場になるんじゃないでしょうか。
「風神雷神」 という図柄は面白い
プレミアム価値はあまりつかなさそうですが、「風神雷神」という図柄自体はなかなか面白いですね。
今回図案は他に、「富士山」「国立競技場」がありましたが、こちらは正直ありふれたデザインに思えます。
過去のスポーツ大会系の記念硬貨のデザインを振り返っても、
- 1964年東京五輪1000円銀貨:富士と桜
- 1964年東京五輪100円銀貨:五輪と聖火
- 1972年札幌冬季オリンピック記念100円白銅貨:聖火
- 1994年第12回アジア競技大会記念500円白銅貨:走る、泳ぐ、跳ぶ
- 1998年長野オリンピック記念硬貨:スピードスケート、バイアスロンなど、各種競技
- 2003年第5回アジア冬季競技大会記念1000円銀貨:スキーとスケートの選手
など、似たり寄ったりのデザインが多いです。
そういう意味では今回のデザイン「風神」「雷神」は異彩を放っていますね。価値が出る出ないに関わらず、1枚手に入れておいても面白いかもしれません。
*1:100円クラッド貨、1000円銀貨、10000円金貨がそれぞれ数種類発行されます