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漫画「ミステリと言う勿れ」を読んだ感想/語りたがりの主人公と正論による説教について

妻が買ってきた漫画「ミステリと言う勿れ」が面白そうだったので、僕も読んでみました。

 

1~4巻まで読了した直後の感想をつらつら書きます。ネタバレは極力避けてますが、未読の人は一応ご注意ください。

 

 

整くんに探偵助手は不要

本作「ミステリと言う勿れ」は推理系漫画で、主人公の久能 整(くのう ととのう)くんがいわゆる探偵役になります。 

 

推理物では探偵役に何かしらの弱点や欠点があって、それを補うための助手役がいたりすることが多いですよね。

 

例えば、「金田一少年の事件簿」の主人公・金田一は洞察力や観察眼はするどいですが、基本的な知識は平凡だったりするので、優等生の幼馴染・美雪にフォローしてもらうことが多いです。「氷菓」の探偵役・奉太郎とデータベースを自認する友人・里志の関係もこれに近いですね。

 

「名探偵コナン」の主人公・江戸川コナン(工藤新一)は一見完璧に近いですが、子どもの姿ゆえにいろいろと不便(犯人と対峙するときに体格面で不利だったり、推理を披露するときに大人にまともに聞いてもらえなかったり)なので、アガサ博士にいろいろ便利アイテムを開発してもらうことで協力してもらっています。 


その点、整くんは、

  • 理屈っぽくて語りたがり
  • やたら博識
  • 記憶力抜群
  • 観察眼が鋭い
  • 行動力もそこそこある

と、およそ事件解決のために必要となるであろう能力・特性をほとんど備えているため、助手役を必要としないタイプの探偵役ですね。

 

性格的にはいろいろ難があったりするので、そのあたりを補う助手役が今後出てくるかもしれませんが(広島編の汐路ちゃんあたりがその役におさまるのかな?)。

 

 

整くんはブログでも書けばいいのに

前述しましたが、整くんってやたら豆知識や持論を語りたがりますよね。

「僕は常々思っているんですが」

が、整くんの語りモードに入る合図です。

他の登場人物からは「まだしゃべるのか・・・」と呆れられたりもしてますがw

 

で、ちょっと気になったのが、整くんってこんだけ語りたがりなのに「友人も恋人もいない」んですよね・・・いや、それが悪いことだとは言いませんが、それって整くん的にはストレス溜まったりしないんですかね?だって日常的に自分の話を聞いてくれる人が身近にいないってことじゃないですか。1人暮らしだから家族も近くにいないし。

 

語りたがりという意味では僕も人のことはあまり言えませんが、僕は主に妻に対して語りまくってるので(妻が若干うんざりしていることもありますがw)、結構それで満足してるんですよね。それでもまだ語り足りない場合は、こうしてブログに書いたりしますし。

 

整くんも、ブログでも始めて、

「常々思っていること」

を書き綴って発散したらいいんじゃないかなと、ちょっと余計なお世話なことを感じましたw

 

 

人の数だけ正論があるはず

最後に、この漫画読んでてちょっとモヤっとしたことを書きます。

 

何度も繰り返しますが整くんってやたら語りたがりで、他の登場人物に対して「正論による説教(っぽいもの)」をすることも多いです。

 

それ自体は悪いこととは思いません。整くんは達観しているように見えることもありますが実際は大学生の年齢なので、自分の正論を相手にぶつけたくなることもあるでしょう。若者らしい覇気溢れる行動ですね。

 

僕が気になるのは、それを聞いている大人の側です。整くんに説教された大人のほとんどすべての人が、整くんに論破されて終わっているんですよね。

 

整くんの言っている内容は、確かにある種の正論には違いありません。でも世の中には筋の通り理屈がいくらでもあるように、正論もいくらでもあるんですよね。

 

整くんは「事実はひとつしかないが、真実は人の数だけある」と作中で言っていましたが、それは正論にも同じことが言えます。

 

例えば、ここの1組のある夫婦がいたとします。夫は仕事が超絶忙しくて平日は終電帰り、休日出勤も多々アリ。妻は専業主婦で3人の子どもを相手にワンオペ育児をしています。

 

妻は言います。

「毎日毎日私1人で育児も家事も回すのは無理。(夫にも)少しは手伝って欲しい」

正論ですね。体力的にしんどいだけではなく、毎日家にこもって社会とのつながりを持てず話し相手もいない、という現実も精神的にかなりつらいものがあります。

 

夫は反論します。

「そう言われても僕は平日はずっと仕事で睡眠時間5時間しか取れていない。休日も休めないことが多い。物理的に手伝いようがない」

これもまた正論です。この状況で夫が家事育児を手伝おうと思うとさらに睡眠時間を削るしかなく、倒れてしまうかもしれません。

 

この話を聞いた外野はこんな意見を言うかもしれませんね。

「どっちかの親に家事育児を手伝ってもらえばいいのに」

「家事育児をアウトソーシング(外注)すればいいのに」

「夫の仕事が忙しすぎるのが問題。転職すればいいのに」

どれも正論です。

 

しかし現実ってそんな単純じゃないですよね。

 

外野の人が表面的な情報聞いただけで思いつく解決案は、当然本人達はとっくに検討している可能性が高いわけです。

 

近くに親が住んでいない(または関係が悪くて頼めない)、家事育児を外注するほど生活費に余裕がない、簡単に転職できるような状況ではない、など、何かしらの理由があってその案を採用していないだけかもしれません。

 

結局世の中って、正論は溢れかえっているんですが、正論と正論の狭間に埋もれながら現実的な妥協案を探していくしかないと思うんですよね。「○○することが正しい」と紋切り型で言い切れることってそんなに多くないと思うんです。

 

話を戻すと、整くんが正論をぶつけること自体は構わないんですが、周りの大人たちには人生経験を生かしつつ「別角度からの正論」を整くんにぶつけてもらいたいところです。言われっぱなしで終わるって、なんか情けない・・・

 

 

あ、いろいろ不満というかツッコミは入れましたが、ミステリ作品としてはかなり面白かったですw