新装版のアニメも好評で、ビックリマンチョコとコラボしたり、ブーム再び!といった勢いを見せる「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」。
アニメも毎週楽しみに見ていますが、まだまだ序盤(12月19日現在、魔剣戦士ヒュンケル戦)。昔のアニメはバラン戦で終わりでしたが、今回は是非最終戦までやって欲しいところです。
さて、ダイの大冒険といえば比較的わかりやすい勧善懲悪に近くて、
- アバンの使途(人間側):正義
- 魔王軍(魔族側):悪
という構図で作中でも語られがちですが、個人的にはこの方程式にはちょっと納得いってないところがあります。今回の記事ではそのへんをダラダラ書いてみようと思います。
ネタバレをがっつり含んでますので、新アニメから見始めて原作未読、という人はご注意ください。
大魔王バーンの目的と動機
ダイの大冒険におけるラスボスと言えば、魔界の神・大魔王バーン。圧倒的な魔力とパワー、そして叡智を兼ね備えたまさに完全に近い存在です。
バーンの目的は地上を侵略し、人間を根絶やしにし、最終的には地上そのものを消滅させること。なるほど、目的だけ見てると確かに人間にとっては悪以外の何者でもありません。
では、その動機は何なのか?何故地上を消滅させたいのか?作中で語られた理由は、
「魔界に太陽の光を降り注ぎたい」
というもの。
かつて神々は人間が脆弱な存在という理由だけで人間たちに地上を与え、魔族たちを魔界に押し込めました。太陽の光の届かない魔界で鬱々と過ごしたことがバーンにとって相当なコンプレックスになっていたというわけです。
諸悪の根源は神々
「太陽を手に入れるため」という動機があるにしろ、その実現手段として暴力を選ぶのは確かに褒められたものではありません。悪と断じられても致し方ないところでしょう。地上と魔界の住み分けは神々の考えたことなので、人間たちには直接的な罪はありませんしね。
しかし、自分たちにとってより良い環境を求めたい、という欲求は生物ならば当然のこと。バーンの行動は広義の自衛的戦いと言えなくもありません。
そもそも、神々が強権を発動して魔族を魔界に押し込めたのが事の発端なわけで、そういう意味では神々こそが諸悪の根源とも言えます。
ダイは最終戦でバーンに対し、
「力こそが正義だという考えは間違っている!」
と言い放ちますが、このセリフは神々に向けても言って欲しいところです。超常的な力で無理やり生きとし生けるものたちの住居を決定してしまったのですから。
いっそダイとバーンが共闘して神々に戦いを挑む、なんて胸熱展開があったら面白そうだなと思わなくもないですが、多分その場合神々の側がボロ負けしてあっという間に勝負がついてしまいそうだし、そもそも少年漫画っぽくないので無理な注文ですかねw