2020年はコロナ禍で大変な1年でしたね。
感染症自体も十分脅威ですが、それによる自粛や人・物の移動制限などによって経済が停滞し、仕事が減って大変だという人も多かったかと思います。
僕は組み込み系エンジニアを20年近くやっているのですが、長年関わっていたプロジェクトが予算凍結で中断したり、子どもの休校のタイミングで休業したりといろいろありました。
組み込み系の仕事は不景気の影響をもろに受けやすいため度々ピンチに陥ったりしますが、大してスキルがあるわけでも無い僕はなんだかんだで生き残ってます。今回はそのあたりの組み込み系エンジニアのサバイバル術について書いてみようと思います。
組み込み系エンジニアの主戦場は景気に敏感な製造業
組み込み系エンジニアの主戦場が景気の影響を受けやすい製造業ということもあり、そもそも組み込み系エンジニアは不景気に弱いんですよね。逆に好景気のときは人手不足で大変だったりして、浮き沈みの激しい職種です。
組み込み系エンジニアとしてキャリアを積んでいく以上、景気の荒波に翻弄されるのは避けられぬ運命かもしれません。
リーマンショック時はWindowsアプリ開発スキルに救われた
2008年から2009年にかけてのリーマンショックの時も大変でした。当時僕が所属していた会社の事業は組み込み系案件の受託や派遣中心だったため一気に仕事がなくなり、技術者の半数近くがリストラや自主退職に追い込まれました。
その数年後アベノミクスが始まってからは今度は「人が全然足りない!なんでだ!?」と慌ててましたが、そりゃあんたらが後先考えず人を切ったからだろうが!としか言いようがありませんでしたけどね。滑稽な喜劇でした。
僕も首を切られることを覚悟していましたが、僕はたまたま組み込み系開発のスキル以外にもWindowsアプリ開発のスキルと経験が少しだけあったので、ギリギリのところで会社にしがみついてWindows系の案件をこなして乗り切りました。
まさに「芸は身を助ける」といったところです(そのWindows系の案件は超絶炎上して月間200時間残業という状況に陥ったので救われたのかどうか微妙なところではありますが)。
最近需要が多いのはIoTとAI
今回のコロナ禍はいつ終わるのかまだまだ見通せませんし、よしんば早期に景気回復したとしても、今後いつまた別の不景気がやってくるかわかりません。となれば、組み込み系業界は不景気に弱いという特徴を補うため、比較的景気の波に左右されにくいサブスキルを持っておく必要があります。
今年僕の場合は、組み込み系案件終了で引きあげてからは、自社でIoT関連の小さな案件(1か月~2か月程度の規模)を細々とこなしてなんとか食いつないできました。過去にスマートファクトリー関連の仕事に携わったことがあるため、IoT開発の経験を持っていたことが幸いしました。
うちの会社に限っての話かもしれませんが、コロナ禍にあってもIoTやAIの仕事はそこそこあるようです。いくら経済が停滞しているからと言っても、アフターコロナを見越して考えた場合、先端技術は乗っかっておかないとまずいという危機感がクライアント側企業にあるのかもしれません。
特にIoTは組み込み系開発の知識・スキルとの親和性もそれなりにあるため、今から習得するサブスキルとしてはうってつけです。
若い人はインフラエンジニアへの転身も有り
「不景気のたびに仕事がなくなる心配をしなくちゃいけないなんて嫌だ!もっと安定した仕事がやりたい!」
という人は、思い切ってインフラ系のエンジニアに転身するのもありかもしれません。
僕の友人でサーバの構築や保守の仕事をしている人がいますが、リーマンショックのときも今回のコロナ禍もほぼ仕事に影響がないと言っていました。さすがに新規の引き合いは少なくなっているかもしれませんが、不景気だからといって保守・運用をやめるわけにはいかないからでしょうね。
30や40になってから畑違いの分野に挑戦するのは勇気がいりますが、現在20代の人であればまだまだ頭も柔らかいのでいけるんじゃないかと。