「俺が仕事できないのは、頭が悪いからだ・・・」
と思ってる人、いませんか?
実は仕事とIQ(知能指数)の間には、有意な因果関係があるという研究結果はありません。
それよりも近年注目されているのが、心の知能指数とも呼ぶべきEQ(感情指数)です。
イー‐キュー【EQ】[emotional quotient]
《emotional quotient》情動指数。感情指数。実社会の人間関係の中で重要な一種の知性として、米国の心理学者ダニエル=ゴールマンは、「Emotional Intelligence」(邦訳「EQ・こころの知能指数」)の中で、自分の感情を認識し、自制する能力、他者を共感的に理解する能力などをあげている。IQ(知能指数)のように知識に偏重しがちな教育に警鐘を鳴らすものとして、日本でも関心を集めた。
仕事とEQには相関関係がある
前述したように仕事の能力や実績にはIQは直接の因果関係はありませんが、仕事とEQの間には相関関係があることが最近の研究で明らかになっています。
最近なぜIQ(知能指数)でなくEQ(感情的知性)が注目されてきているかと言うと、EQと個人実績は相関関係がある事が分かったからです。実際、EQは職場で出世するのに実績を予知するのに一番重要なスキルであり、どんな種類の仕事でも、実績の58%はEQによるものという事が分かっています。
すなわち、
- EQが高い人の中には、仕事のできる人が多い
- 仕事のできる人の中には、EQが高い人が多い
ということです。
実績を積み上げて年収アップや出世を目指したい人は、EQを高めることを考えたほうが良いのです。
感情は「予防」するのではなく「対処」する
EQを高めるためにはどうすればいいのでしょうか?
「俺は短気で怒りっぽいから、なるべく怒らないように気を付けよう」
実はこれ、あまり正解とは言えません。というのも、人間の感情は大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)という大脳の奥深くにあるコア的な部分によって生み出されていて、簡単にコントロールできるものではないからです。
でも、
「なんだ、じゃあ感情を管理してEQを高めるなんて無理なんじゃないか」
というと、そうではありません。
「怒らないようにしよう」という予防措置は難しくても、「怒ってしまった後にどう行動すればよいか」という対処は可能だからです。
人間が何かしらの感情が発生してから行動に移すためには下記のような経緯を辿ります。
- 感情発生
- 感情認識
- 6秒待つ(個人差大きい)
- 取るべき行動を思考・選択
- 行動に移す
このうち、「1.感情発生」が制御しにくいのは前述した通りで、ここを頑張ってもあまり意味はありません。人間怒るときは怒ってしまうのです。
怒ってしまった後にどのような行動を取るべきかが重要で、「4.取るべき行動を思考・選択」というステップが必要になります。
そのためには、まず自分の感情を適切に認識(「2.感情認識」)しなくてはいけません。例えば、同じ怒るでも、
- イライラしている
- カッとなった
では、取るべき行動が変わってくることでしょう。
僕の場合は、
- イライラしているときはコーヒーを飲む
- カッとなったときはいったん深呼吸をする
という行動によって怒りの感情をアフターケアします。
この際、適切な行動を選択する前に、ひと呼吸おくのが大事です。人間は感情が発生してから思考するまでに必要な時間は約6秒と言われています(個人差が大きいので注意。自分にとって必要な時間を経験によって知る必要があります)。
まずはその時間待ってから、自分の今の怒りの感情に適したケア行動を取り、感情と上手につきあっていくのがポイントです。
EQについてもっと詳しく知りたい場合は、専門本が何冊も出ているので、読んでみてください。