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組み込み系エンジニア向け国家資格「エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)」は取得する必要があるか?

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組み込み系エンジニア向けの資格はETEC(組込み技術者試験制度)やトロン技術者認定試験など、公的試験/民間試験でいくつかありますが、中でも一番有名なのはやはり国家資格の「エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)」と思われます。

 

 

情報処理試験の中でも一番難易度の高いレベル4試験(高度情報処理試験)に位置付けられている本資格、実際の合格率も16~18%程度と低く、易々と合格できる試験ではありません。

 

では、組み込み系エンジニアを目指す人、あるいは現役の組み込み系エンジニアにとって、 本資格はそもそも取る必要のある資格なんでしょうか?取るとどんなメリットがあるんでしょうか?

 

本記事はそのあたりについて、筆者の組み込み系開発歴10年超の経験を踏まえ、個人的な意見を書いてみます。

 

 

現場の組み込み系エンジニアはこの資格を保有してる?

僕は組み込み系の開発経験が10年以上あり、何人ものエンジニアと一緒に仕事をしてきました。

「この人の頭の中どうなってんだ?」

と感心するやら呆れるやらというレベルの凄腕エンジニアも何人もいました。

 

「その人がどんな資格を持っているか知っている」程度に仲の良い(or 良かった)エンジニアに絞ると、組み込み系エンジニアの知り合いはおおよそ100人弱。その中で、エンベデッドシステムスペシャリスト資格を保有していたのは、4人です。(あ、ちなみに僕は持ってませんw)

 

これを多いと考えるか少ないと考えるかは意見が分かれそうですが、1つ言えるのは、組み込み系開発の現場で働いている人であっても、本資格を持っているのはかなり少数派ということです。

 

エース級に仕事のできるエンジニアでもこの資格は持っていないという人はざらにいました。あくまで僕の観測範囲では、ですが、戦力的には中堅くらいの人がこの資格を持っている、あるいは挑戦中、という感じでした。

 

何にせよ、組み込み系開発の仕事をする上でエンベデッドシステムスペシャリストは必須の資格ではない、のは確かです。

 

 

未経験者には大きな武器になる

とはいえ、取得しても全然意味のない資格かと言えばそんなことはありません。一定以上の知識を持っているという証明になるので、就職・転職市場では有利になります。

 

さすがに全くのIT業界未経験者がいきなりこの資格を取るのは厳しいですが、IT系の他業種から組み込み系に転職したい場合など、事前に取っておくと心強いのは間違いないです。

 

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資格手当という名の不労所得を狙える

情報処理試験取得の一番の旨味はこれかもしれません。

 

資格手当

 

自分の仕事の成果や会社業績とは直接関係なく毎月入ってくる資格手当は、ある意味不労所得のようなものです。

 

僕の所属している会社では、エンベデッドシステムスペシャリストを取得することで月額1万8千円の資格手当が支給されます。かなり美味しいです。 

 

エンベデッドシステムスペシャリスト以外にも資格手当もらえる組み込み系資格はありますが、この資格が一番知名度高いので、資格手当の対象にしている会社は多いです。

 

ただ、会社によっては、

  • 毎月の手当てではなく合格祝い一時金の支給
  • 資格手当支給に年齢制限があり(40歳までとか)

という例もあるので、もし資格取得の主目的が資格手当を得ることであるならば、事前にちゃんとそのあたりを調べておいたほうが無難です。

 

 

資格取得に必要な勉強時間からコスパを計算してみた

仕事上必須の資格ではないとはいえ、

  • 就職・転職時の武器
  • 資格手当の旨味

を考えれば、まとまった勉強時間を確保できる人は狙っていきたいところです。

 

合格までにどの程度勉強が必要か、ネット上の試験体験記などを読んでいると、ある程度情報処理の知識の下地のある人*1であれば、おおよそ200時間前後といったところでしょうか。1日1時間勉強するとして半年ちょっとですね。

 

「えー、そんなに勉強しなくちゃいけないの・・・?」

と思うかもしれませんが、仮にあなたの給料の時間単価が2000円だとすると、200時間の勉強時間の価値は、

 

2000円 × 200時間 = 40万円

 

なので、

 

資格手当が例えば毎月1万5千円入ってくるとすると、合格後2年ちょっとで元が取れる計算です。

 

コスパ的に考えると決して悪くはないと思うんですよね。頭の柔らかい若手エンジニアの人は挑戦してみてもいいんじゃないかな、と。

 

え?そんなに言うならお前も勉強して取ればいいじゃないかって?

 

うちの会社、資格手当が出るのは40歳までなんです・・・

 

 

 

 

 

*1:既に基本情報技術者や応用情報技術者を取得しているような人