「金田一37歳の事件簿 」5巻を読み終わりました。
読了直後の感想を書きます。がっつりネタバレしているので、未読の方はご注意ください。
ラブホの謎に気づくきっかけがやや強引・・・
4巻の感想記事で、
「双子が登場したら入れ替わりトリックを疑え!」というのはミステリーの鉄則ですが、そもそも動機とされたリベンジポルノ写真、あれに映っていたのは桜子ではなく薫子ではないかと思うんですよね。
と予想していた通り、ラブホの写真は桜子じゃなくて薫子だったわけですが、金田一がそこに気づく過程がちょっと強引だった気がするんですよね。
- 連続殺人の起きた赤池流の御屋敷には泊まりにくい
- ホテルや旅館はどこも一杯
- 仕方なく葉山君がラブホを取った
「1.」「2.」までならともかく、そこから上司と部下の関係にある男女がラブホ行くのがちょっと・・・いや、全くあり得ないこととは言いませんが、なんか少年漫画でよくある微エロ系ラブコメ漫画みたいな展開だなぁ、とw
まあしかし、
「写真に写っていたラブホは北海道じゃなくて京都だった」
ということに金田一が気づくためにはこの展開くらいしか無かったのかもしれませんが。
ちな、「ラブホのリベンジポルノは桜子じゃなくて薫子」ってところまでは僕の推理は当たりましたが、
これ見よがしに日付入りのニュース番組がバックに流れているのも出来過ぎてますし、アリバイを確保したうえで桜子になりすましてリベンジポルノ写真を流出させ、桜子の自殺動機を捏造したのではないか、と。
経緯や動機の推理(というかただの当て推量w)は完全に的外れでしたw
まあ推理物読んでて自分の推理が当たった試しの無い僕からすると、一部だけでも的を射ていただけで大金星です。
犯人の過去や動機などは『金田一』らしさが出てる
- 真面目でお淑やかそうな薫子に実は裏の顔があった
- 遊んでそうな桜子は実はしっかりした娘さんだった
- 脇役その1みたいな感じだった左京が実は桜子の昔からの知り合いで恋仲だった
などなど、人物相関の意外性や過去のエピソードの交え方など、少しずつ『金田一』っぽくなってきた感じですね。金田一もかなりやる気出すようになってきましたし。
ただ・・・なんていうか、犯人や被害者の過去話に『重さ』という点では、いまいち「金田一少年の事件簿」の頃の切れが無い気がします。昔だったら、読者が引いてしまうくらい(良い意味で!)長く重いエピソードが用意されてたりしたんですが、まだそこまでではないな、と。
徐々に復活してきた金田一主任のやる気に比例するように、そのあたりの切れもそろそろエンジンかけてほしいところではあります。
幸村警視が良い味出してくれそう・・・
話の展開的には、次の「函館編」は期待がもてそうな気がしますね。
なんといっても、新登場の幸村警視がかなり良い味出してくれそうな予感がプンプンします。何せ、かのクール眼鏡・明智警視長を腹が痛くなるほどまでに笑わせるほどの逸材ですからね。今後の金田一主任との絡みが期待しかありません。
昔の金田一の活躍を知る懐かしキャラいつきさんも登場して、金田一の過去とか美雪のこととかを葉山君にバラしそうな(多分引っ張るだけ引っ張って核心的なことは言わないだろうけど)展開も楽しみのタネ。
6巻発売が待ち遠しいです。