2022年も残すところあと僅か。今年はエネルギーコスト高騰などに起因するインフレが進行しつつあります。
IMFの2022年10月時点での推定インフレ率は1.99%。慢性的なデフレ経済に悩まされてきた日本にとっては冗談みたいな話に思えちゃいますね。
預貯金中心で資産を持っているとインフレの進行とともに価値がどんどん減っていきますから、何かしら対策を講じる必要があります。ちょっとくらいのインフレならまだしも、お金が紙くず同然になってしまうようなハイパーインフレが到来したら、日常生活が破壊されてしまいます。
ハイパーインフレ対策の代表的な手段としては、金貨のように世界中で通用する普遍的な価値のあるモノを買う、ということが考えられます。金貨購入を検討してたり既に持っている人も多いかもしれません。
ただ、何でもそうですが、知識が無いままにやみくもに買うのは危険です。本記事ではハイパーインフレ対策で金貨を買う際に注意すべきことを3点解説します。
※本記事はあくまで「ハイパーインフレに備えた対策」についての記事であり、ハイパーインフレの到来を予測 or 予言しているわけではありません。資産のすべてを金貨に変えるべし、と主張しているわけでもなく、実際には資産の一部だけを金貨に換えておくような状況を想定しています。
地金型のなるべく有名な金貨を選ぶ
まず、どんな種類の金貨を買うか。
金(ゴールド)資産として金貨を買う場合は、地金型金貨と呼ばれる金貨を買うのが一般的ですが、地金型金貨には
- クルーガーランド金貨
- メイプルリーフ金貨
- ウィーン金貨
- カンガルー金貨
- パンダ金貨
- ブリタニア金貨
- イーグル金貨
- バッファロー金貨
と、これだけの種類があります。
基本的にはどの金貨を選んでも良いのですが、できればなるべく有名な金貨を選んでおいた方がベターと考えます。
結論から言うと、国内外の知名度で言えば
- メイプルリーフ金貨
- ウィーン金貨
のほぼ二択です。
なぜ有名な金貨を選んでおいた方がいいのかと言いますと、あまり考えたくないことですが将来日本でハイパーインフレが起きて紙幣が紙くず同然になった時、手持ちの金貨で生活必需品を買わなくてはいけない事態になるかもしれません。
そんなとき、あまりにマイナーな金貨を買い物で出しても、売り手側は本物の金貨かどうかの見分けが難しく受け取りづらいでしょう。金の純度を測定する機械はありますが、買い物時に無用なトラブルを避けるためには、誰もが知っている有名な金貨にしておいたほうが無難です。
メープルリーフ金貨やウィーン金貨を売っている業者はたくさんありますが、大手の田中貴金属にしておけば間違いないでしょう。
大中小の金貨を織り交ぜる
地金型金貨には、
- 1オンス金貨
- 1/2オンス金貨
- 1/4オンス金貨
- 1/10オンス金貨
と様々な大きさが用意されています。(1オンス=約31.1グラムです)
基本的に大きな金貨のほうが金1グラムあたりの価格が割安で、小さな金貨は割高になります。
だったら全て1オンス金貨で揃えればいいのかと言うと、それはやめておいたほうがいいかもしれません。
というのも、先ほどの買い物の話に関連するのですが、日常の買い物で1オンス金貨(2022年12月時点で約28万円)をポンと出して買い物するのはあまりに使い勝手が悪いためです。
1/4オンス金貨や1/10オンス金貨なども持っておいて、必要に応じて使い分けたほうが利便性は高いです。
保管に気をつける
金貨を購入した後は、保管にも気を付けましょう。せっかく資産の一部を金貨の形で退避させても、火災や盗難にあって紛失してしまっては元も子もありません。
安心度の高い保管先としては、銀行の貸金庫が考えられます。大抵の銀行では月極で貸金庫サービスを提供してくれてますので、自分が日ごろ使う銀行の貸金庫に預けるのも手です。
貸金庫の料金体系は銀行によってまちまちですが、一番リーズナブルなサービス(一番容量の小さい金庫)で大体月2000円程度なことが多いです。
払えない金額では無いですが、毎月その額を徴収されるのは一般の人にとっては地味に痛い出費かもしれません。
あるいは、耐火性の家庭用金庫を購入して保管するという手もあります。
ある程度しっかりした金庫でも2万円程度なので手の届く範囲かと思います。
「金庫に入れてたって空き巣に入られたら金庫ごと持っていかれるのでは?」
という心配もありますが、数十キロの重さのある金庫を担いで逃げるのも大変な上に目立つので、空き巣側の立場で考えると金貨単体で置いてあるよりかは多少なりとも盗みにくいのではないかなと思います。
絶対確実な保管方法というのはありませんので、あとはコストと安全性のバランスの問題ですね。