「古銭」というと、何を思い浮かべるでしょうか?
いつの時代のものかもわからない錆付いたお金?おばあちゃんの箪笥から出てきた明治時代のお金?
本記事では、古銭収集歴20数年の著者が古銭の定義や価値、魅力などについてまとめられるだけまとめてみました。
古銭の定義
古銭とは書いて字のごとく古いお金のことですが、ではどれくらい古いお金のことを古銭と呼ぶのでしょうか?
明確な定義が決まっているわけではありませんが、辞書にはこのような説明が載っています。
1 昔、通用したぜに。古いぜに。
2 近世、寛永通宝以前の古い貨幣。また、中国から渡った開元通宝・永楽銭など。⇔新銭。
広義の意味としての「1」の定義を採用すると、昔実際に使われていたけど現在では使われていない(使えない)お金、という意味になるかと思います。
その意味で言うと、現代日本では昭和23年以降の硬貨であれば使用可能なので、昭和22年以前、つまり1947年以前の硬貨であれば「古銭」と呼べそうです。
昭和11年銘 小型50銭銀貨
古銭の魅力
古銭には人間を引き付ける不思議な魅力があります。子どもの頃、祖母に昔の硬貨(明治~昭和初期)をもらったとき、ワクワクしていつまでも眺めていました。
自分が生まれるより遥か前、今から100年も150年も前に発行された硬貨が目の前にある。よくよく考えてみればこれってすごいことだと思うんですよね。
明治二分金
古銭を骨董品として考えると、例えば100年前の壷や書画は、普通の家にそうそう転がってたりしませんよね。「なんでも鑑定団!」を観て憧れて欲しくなっても、10万だとか100万だとか、趣味で買うには憚られるお値段がしたりします。
その点、古銭であれば実家の箪笥の中からひょこっと出てくることもありますし、古銭商で明治時代のお金を買おうと思えば、金貨や銀貨など一部の高価なものでなければ数百円で買えます。
この馴染みやすさこそが「庶民に手を出せる骨董品」という感じがして良いのかもしれません。
古銭好きの人の裾野は意外と広く、「週刊日本の貨幣コレクション」のようなコレクター本が出るほど人気の趣味となっています。
古銭の情報をどうやって知ればいいの?
古銭に興味を持って、
「よし、いっちょ集めてみるか!」
と思ったとしても、最初のうちはどの時代にどんな古銭があるのかわからず、何から手をつけたらいいかわからなかったりすると思います。
そんなときに頼りになるのがコインカタログです。日本貨幣商組合の発行している「日本貨幣カタログ」であれば、日本のコインはほぼすべて網羅しています。
日本貨幣カタログは毎年発行されていますが、1年や2年くらいでは大して情報も変わらないので、毎年買わなければいけないわけではありません。5年か10年に1冊買えば十分かと。
その他、古銭を収集するときにあると便利な道具を下記記事でまとめています。
古銭はどこで買えばいい?
古銭は金券ショップや雑貨屋でも売っていることはありますが、専門の古銭商で買うことをおすすめします。品揃えが違いますし、経験豊かなスタッフによる真贋鑑定も行われているためです。
おすすめの古銭商については、下記記事でまとめています。
古銭の価値を調べたり相場を知るにはどうすればいい?
「この古い硬貨、売るとどれくらいの価値があるんだろう?相場だけでも知りたい!」
という人は、一度古銭商や買取専門業者に査定してもらって価値を知るのも面白いです。
買取業者にも得意なジャンル・不得意なジャンルがあるので注意が必要です。古銭タイプ別のおすすめ鑑定・買取業者を下記記事でまとめています。古銭の価値を落とさないためのコツも書いていますので、参考にしてください。
古銭は投資対象となりうるか?
単なる趣味として古銭を収集する以外にも、最近は古銭を投資対象と考えて収集する人も増えています。将来的な値上がりに期待して買う、というわけですね。
「古銭は投資対象となりうるのか?」
という問いには結構自信を持って「YES」と答えることができます。*1
- 古銭は減ることはあっても増えることは無い
- 世界に富裕層や準富裕層の数はどんどん増えており、珍しいコインを手に入れたいと考える人の裾野は広がっている
という事実があるからです。
もちろんどんな古銭であっても無条件で値上がりするわけではありません。古銭への投資を考えている人は下記記事を参考にしてみてください。
まとめ
趣味としてとことん集めてみるのも良し、
お気に入りの古銭の逸話や歴史的背景に想いを馳せるのも良し、
とっておきの1枚を家宝とするも良し、
投資対象とするも良し、
人類の歴史とともに歩み続けてきた「古銭」の世界の魅力を1人でも多くの人に知ってもらいたいと願いつつ、今回はこのあたりで筆をおくこととします。
*1:実際に古銭を投資対象とする際は、いわずもがなですが自己責任でお願いします